2019年12月31日

あくまでもクールに ~Green By Robohands~


熱くなることのない、淡々としたクールな演奏。この温度がとても心地よく感じられます。ヒップホップっぽいドラムの上でピアノが、サックスが凛々しく踊る、そんなジャズを聴かせています。

本作はアンディ・バクスターというイギリスのマルチ・インストゥルメンタリストによるロボハンズなるプロジェクトの作品。リリースは2018年5月。ここでバクスターはほぼすべての楽器を演奏しているようです。

外に向かってエネルギーを放射していくようなムードよりも、スタジオにこもって音を積み上げていくような内省的なムードを強く感じます。クールな印象を受けるのはそういうムードがあるからでしょう。クールな音楽が好きな人に届きますように。

2019年12月27日

さあ、夢の中へ…… ~Anicca By Teebs~


深い深~い森の中から生まれてきたような、幻想的なエレクトロニカ。現代的な電子音楽なのだけれど、太古の昔からあったような……? そんな原始的とも思えるリズムが鳴り、キラキラと輝く電子音や弦楽器の音が鳴る、アメリカのクリエイターであるティーブスの通算3作目となるアルバムです。

ヴォーカルが入っている曲とインストゥルメンタルの割合はだいたい半々ぐらいで、音が幻想的なら、声も幻想的。聴いていると、映画『もののけ姫』の世界に連れて行かれる感覚を覚えます。美しく、夢の中にいるような空間が目の前に広がります。

2019年12月24日

ドリーミーで、ダンサブルで、グルーヴィーなポップ・ソング ~Oncle Jazz By Men I Trust~


終始ドリーミー。そして時々ダンサブルで、時々グルーヴィーなドリーム・ポップ。カナダの3人組のバンド、メン・アイ・トラストの通算3作目にあたる本作に収められているのはそんな音楽です。

ベースを担当する女性シンガー、ジェシー・キャロンのささやくような可憐な歌声と力の抜けた洒脱な演奏が実にクール! ほぼすべての曲が2~3分台にまとめられており、すっきりとした簡潔なアレンジが施された、甘くクールなポップ・ソングが並んでいます。

エヴリシング・バット・ザ・ガールのドリーム・ポップ版とも言えそう。全24曲でトータルタイムが約72分というなかなかのヴォリュームがあるので、存分に楽しめます。





2019年12月21日

古のソウルとヒップホップの間に生まれ落ちた音楽 ~Black Beans By Choosey & Exile~


古めかしくて、なつかしさを感じる、クラシカルなソウルの香りをたっぷりと含んだトラックに、まずはおやっと思わされるのではないでしょうか。ヒップホップのトラックらしいイカツさはそれほどなく、古典的なソウルの味わいがある……、なんて書きたくなります。

アメリカのトラックメイカーであるエグザイルが手がけた、そんなトラックの上にMCのチュージーによるラップが乗っていく、エグザイルとチュージーの共作。ではなく、エグザイルのプロデュースによるチュージーの2作目という作品です。

チュージーは終始軽快に切れ味鋭く、そして余裕たっぷりに言葉をつないでいきます。古のソウルとヒップホップが交錯する、ブラック・ミュージックの真髄を味わえる……、と書くとおおげさ? おおげさだとしても、2019年にリリースされたかっこいいヒップホップのアルバムのひとつです。

2019年12月19日

1日の終わりはこの穏やかなダウンテンポで ~Migration By goosetaf~


甘く穏やかなひとときをどうぞ。ゆったりとしたダウンテンポの中に甘口のソウルとジャズを加えたこの音楽が、心地よいチルアウトに導いてくれることでしょう。作者はアメリカ・シアトルのgoosetafと名乗るビートメイカーです。

オランダのチルホップ・レコーズからのリリースとあって、このレーベルらしい心地よさを存分に味わうことができます。そして気持ちよくたゆたうような浮遊感と、おしゃれさもあり、とてもいい雰囲気。これもまた1日の終わりに聴く音楽です。

2019年12月15日

アウトサイダーによるビート・ミュージック ~one on each planet By Samiyam~


ザラザラとした粗い質感の音がやっぱり魅力。そしてアウトサイダーっぽい雰囲気が実にかっこいい、アメリカのビートメイカーであるサムアイアムの作品です。約15分という短い尺の作品なので、あっという間に終わります。

ここで展開されるのはクラシカルなソウルとアンダーグラウンドの香りをたっぷり含んだヒップホップが混ざり合った音楽。異端児によるヒップホップの世界へどうぞ。

2019年12月10日

ゆったりと、淀みなく美しく流れるダウンテンポ ~Déjà​-​rêvé By Flitz & Suppe~


心地よい寂寥感と叙情感に包み込まれる約20分。ドイツの2人のビートメイカーからなるFlitz&Suppeというデュオの作品です。ヒップホップっぽいドラムの上に流麗なピアノやアコースティック・ギターが乗っていく、しっとりとした雰囲気のダウンテンポが並んでいます。

ここに並ぶダウンテンポはジャケットの風景を音に変換したかのよう。聴いていると、心が洗われる感覚を覚えます。一日の終わりに耳を傾けたくなる音楽です。夜になって周りが静かになってから、聴いてみてはいかがでしょうか。

2019年12月5日

一日の終わりに、一週間の終わりに、一年の終わりに、このヒップホップを ~Miraroma By Jambo Lacquer~


ドラマティックで、ほんの少しの切なさを感じるヒップホップ(MCのチプルソが参加した7曲目「LIGHT」以外はインストゥルメンタル)。幼い頃、楽しかった1日が終わるとき、切なさを感じることはなかったでしょうか。この作品にある切なさはそんな感覚に似ています。

作者はジャンボラッカーと名乗る大阪のビートメイカー。あたたかみのあるソウルとジャズ、そしてタフなヒップホップが混ざり合い、ほっこりとしたあたたかさと、やさしさに溢れた作品に仕上げています。夕暮れ時から日が沈むまでの間を音で描いた音楽……、これはそんな音楽であるかのようです。