2019年8月28日

天気のいい休日の午後のインストゥルメンタル・ヒップホップ ~SILENT TALK By BROCKBEATS~


牧歌的とも言えるほどにおだやかな時間が流れるインストゥルメンタル・ヒップホップ。聴いていると、おいしい空気が吸える自然の中にいるかのような感覚を覚えます。ブロックビーツなる日本人ビートメイカーによる作品です。

ちょっと古めかしいジャズやブルースの香りが漂う力の抜けたピアノやギターのフレーズ、それから古い映画のBGMから抜き取ったようなムーディーな雰囲気の音を、シンプルなリズムのドラムに絡めた曲が中心。

イージー・リスニングに近いなごやかな雰囲気を漂わせていて、天気のいい休日の午後のBGM……、と言ってもいいかもしれません。心地よい午睡に導いてくれそうな、そんな雰囲気を感じます。

……と、思いきや、17曲目「chilling in the Nujabes」では曲名通り、ヌジャベスゆずりのリリカルなピアノのフレーズを聴かせています。この曲と最後の18曲目でしっとりと終わらせる流れがとても好きです。

2019年8月25日

2019年らしい? ネオ・ソウルを絡めたクールでなまめかしいヒップホップ ~2am / You Don't Know By SummerClub~


メンバーはこの2人なのか? インターネットで検索してみても、プロフィールは見つからず……。まあ、それは置いておいて、SummerClub(というユニットなのか何なのか)による、ネオ・ソウルを絡めたつややかなヒップホップに心をつかまれました。

シンプルなドラムとなまめかしく響くキーボードからなるトラック、そして静かな語り口のラップが最高にクールな世界を作り上げています。ロイル・カーナーやトム・ミッシュの音楽が好きな人は好きかも。





2019年8月22日

日常に咲く美しいピアノの旋律 ~CITY By Iwamura Ryuta~


ピアノの上に、小さなノイズ音やフィールドレコーディングで採取した音をうっすらと重ねた美しいアンビエント。聴いていると、心が洗われます。新潟市出身で東京在住のIwamura Ryutaというピアニストによる作品です。

曲調はとてもゆったりとしていて、時に愛らしさを見せながらも、ほんの少しの緊張感があるように感じます。この緊張感はクラシックゆずりのものでしょうか。きれいなピアノのメロディにはクラシックの面影が……。

日常生活の中に静かに咲く花のような、そんな音楽。何気ない日常に潤いを与えてくれそうです。日々の暮らしにこの音楽を加えましょう。





2019年8月21日

日本の夏のヒップホップ ~マジックアワー By STUTS, BIM, RYO-Z~


これは夏の、それも夏の終わりの……。そんな香りを感じるスタッツのプロデュースによる曲。ビムとリップスライムのリョージがMCとして参加し、心地よくさわやかなヒップホップに仕上げています。

2019年の夏のサウンドトラックはこれだと、制作者側はまったく言っていないとしても、そう言いたくなります。昭和のテレビのようなザラザラした質感の映像を使ったミュージックヴィデオもいい感じです。



2019年8月13日

甘く心地よくダンサブルなソウル・ミュージック ~Ghost Notes By Kan Sano~


力強く弾むリズム、キーボードやサックスのなめらかな旋律、甘い歌のメロディ……。こういった音たちが混ざり合った、ややハウス寄りのソウル・ミュージック。というより、ネオ・ソウルといった方が正しいでしょうか。日本人クリエイター、カン・サノの通算4作目となる作品です。

とろけるような甘さとまどろむような心地よさ、ダンサブルなリズムの気持ちよさを存分に味わわせてくれます。シンガーソングライターらしい歌と、多くの楽器を操るマルチ・インストゥルメンタリストとしての才能が高次元で結びついていると、そんなことを思いました。



2019年8月11日

2019年の夏はこのおだやかなインストゥルメンタル・ヒップホップとともに…… ~Chillhop Essentials Summer 2019 By Chillhop Music~


よりしっとりと、よりおだやかに進化した、いや、深化した? そんな印象を受ける、オランダのレーベルであるチルホップ・レコーズが、4半期に一度リリースするコンピレーション・アルバムの2019年夏版。

ソウルやジャズを絡めながら、最後にヒップホップとアンビエントの間に落とし込んだようなインストゥルメンタルが並んでいます。何もしたくなくなってしまうほどにおだやかな空気が流れ、ため息が出るほどにおしゃれな雰囲気がある、チルホップ・レコーズらしい作品です。

ほっこりとしたあたたかさがあるのと同時にさわやかさと清涼感もあり、夏に合いそう。わたしが特に気に入った曲を挙げると、22曲目、23曲目、24曲目の後半の3曲。まずはこの3曲から聴いてみてはいかがでしょうか。そして2019年の夏の夜はこの作品とともに……。

2019年8月7日

岡山からハウス・ミュージック・シーンに新たな才能が ~"Spiral", "Prayin'" and "Precious Time" By Daisuke Kondo~


すべてのハウス・ミュージック・ラヴァーに捧ぐ……。と、書くと少しおおげさか?と思いつつも、岡山出身のDaisuke Kondoなるクリエイターの音楽を聴いていると、そう書きたくなります。ハウス好きなら好きになるはず!

Daisuke Kondoが作るのはファンキーな黒いハウス。1990年代の王道のハウスを思い起こさせる瞬間もあります。そしてねばっこくウネる低音域の音が何よりも気持ちいい。

フル・アルバムのサイズの作品はリリースしておらず、12インチのシングルレコードのリリースが中心のようです。サウンドクラウドにアップされていた曲の中から、わたしのおすすめを下に貼りました。ぜひ聴いてみてください。






2019年8月3日

子守歌のようなビート・ミュージック ~Build By Yasper x Louk~


ほっこりとしたあたたかな空気を漂わせる、気持ちのいい午睡に導くようなビート・ミュージック。子守歌のようなかわいらしさとやさしさがあるようにも感じます。YasperとLoukという2人のクリエイターによる作品です。

ゆったりとしたテンポのリズムの上にジャジーであったり、ブルージーであったりするピアノやフルート、サックス、そしてギターなどが乗っていく曲が中心。オランダのレーベル、チルホップ・レコーズからのリリースというだけあって、このレーベルらしいおしゃれさもしっかりとあります。