2016年4月30日

ダブとヒップホップの中間地点 ~Lava Lamps By Leaf Beach~


空気を震わせるようなダブ風のベースの響きが特徴的なインストゥルメンタル・ヒップホップ/ビート・ミュージック。硬質なドラムと太いベースの隙間を縫うようにピアノが舞い、ギターが揺らめく……。そんな音楽を展開しています。

作者はリーフ・ビーチなるアメリカ人ビートメイカー。いつもいい作品を届けてくれるアメリカのレーベル、オールウェイズ・プロパーからのリリースです。



2016年4月29日

深入りのコーヒーと共に聴くべきブラック・ミュージック ~Radio Juicy S02E22 (Butta Mix by Budamunk) By Budamunk~


これはこれから訪れる(もうすでに訪れている?)ゴールデン・ウィークを家で過ごすときのBGMとしてちょうどよさそう! 日本人ビートメイカー、ブダモンクがドイツのヒップホップ・レーベルであるレディオ・ジューシーのDJミックスシリーズに提供したDJミックスです。

ブーム・バップのテイストを含んだヒップホップやビート・ミュージックから、フューチャー・ソウルやスローモーなファンクが中心。ゆったりとたゆたうようなコズミックな展開が違う世界へとトリップさせてくれます。ブダモンクらしい低く沈み込む低音域の心地よさがあるのは言わずもがな……。

ヒップホップらしいワイルドなところと、ソウルやファンクのセクシーなところを抽出し、それと同時にまったりとした雰囲気を漂わせる……といった感じ? 深入りのコーヒーがよく合いそうなブラック・ミュージックです。コーヒーを飲みながら聴きましょう。



2016年4月26日

ダークな色彩のビートが妖しく迫る…… ~mndbd for clsscs By clsscs~


DJミックスなのか、オリジナルのビートテープなのか、いまいちよく分からないこの作品。作者はおそらくアメリカのビートメイカー、mndbdだと思います。mndbdの曲を使ったDJミックス? まあ、よく分からないので置いておきましょう。

DJミックスなのかビートテープなのか分からないというのも、いくつかの映像が何の脈絡もなく立ち現れては消えていくかのような、細切れの曲が途切れることなく繋がっていく作りになっているから。

音楽的にはインストゥルメンタルのヒップホップからダウンテンポ、そしてソウルやジャズがグシャッと一体になったような感じです。ジャケットと同じようにすべての音がダークな色彩をまとっています。

何が出てくるのか分からない、底の見えない井戸を覗き込んでいると言ったらいいのかな、聴いているとそんな感覚を覚えます。聴き手を暗闇に誘い込むような、モノクロームのサウンドが妖しくゆっくりと耳に忍び込んできます。



2016年4月25日

ブラコンとビート・ミュージックが出会ったら ~Algreenllama lofi sp[89] & simple and plain stbb #476[84] By mr.dibiase~


あえて洗練させていないかのようなブラコン風のイナタい雰囲気を色濃く漂わせるサウンドと、ズムズムと鳴る弾力のあるビートの絡み合いがユニークなインストゥルメンタル・ヒップホップ。作者はロサンゼルスのビートメイカー、mr.dibiaseです。

粘りのある腰の強い低音域の鳴り方が気持ちよくて、モタッているようにも、つんのめっているようにも聴こえるリズムが飽きさせません。





2016年4月24日

今年のゴールデンウィークはこのソウルフルなビート・ミュージックをお供に…… ~Be Thankful By Melodiesinfonie~


今年のゴールデンウィークを家で過ごすときにはこれを聴いてみてはいかがでしょうか。きっとやさしく寄り添ってくれるはず……と、どうしたって書きたくなってしまう、聴き手を心地よいまどろみに導く作品です。これこそ最高の休日の音楽……といったところでしょうか。

スイスのビートメイカーであるメロディシンフォニィの新作です。これまでの作品ではヒップホップを軸にして、ジャズやフューチャー・ソウルを少しずつ取り入れた音楽を展開していましたが、ここではヒップホップとジャズ、ソウルをそれぞれ同じくらいの割り合いで取り入れています。

……と書いてはみたものの、ソウル、フューチャー・ソウル、R&Bのテイストがやや強いですかね。ラップが入っている曲はなく、ソウル系のシンガーをフィーチャーした歌モノが数曲あるのがそう思わせる要因だと思います。

そして何と言ってもいいのは昼寝をしようと思い横になって、眠りと目覚めの中間にいるときのような、あの心地よさが最初から最後まで途切れることなく続いていくところ。この心地よさには抗えない。

太陽の温もりに包まれたようなあたたかみのある電子音、気持ちを落ち着かせるゆったりとしたリズム、心を気持ちよくなでる歌のメロディ……、それらが重なり合ったドリーミーなビート・ミュージック、あるいはソウル・ミュージック。天気のいい休日の午後のお供にぜひどうぞ。





2016年4月23日

続・夏の夜に聴きたい清涼感のあるダウンテンポ ~Sindru By mndbd~


mndbdなるビートメイカーによる、昨日紹介した『nowadaze.』とよく似たテイストの作品です。ヒップホップとダウンテンポを混ぜ合わせた、しっとりとした雰囲気の心地よい音楽を展開しています。

冒頭に挿し込まれた水の音や冷たい質感を覚える硬質なピアノの音、どこか涼しげな音色のビート……、そういったところに夏っぽさや清涼感を覚えます。1分台の曲を5曲並べた作りなので、あっという間に終わります。



2016年4月22日

夏の夜に聴きたい清涼感のあるダウンテンポ ~nowadaze. By MindBody&Beats~


これから訪れる夏の夜のサウンドトラック? そんなおもむきのある、清涼感のあるダウンテンポです。心を静めるしっとりとした音と、ノスタルジックな雰囲気を漂わせるウワモノのメロディが重なり合い、心地よい空気を生んでいます。

作者はマインドボディ&ビーツなるアメリカのデュオ(だと思います……)。3~5曲目がインストルゥルメンタルで、1曲目と2曲目に入っているラップはゲストのMCによるもののようです。

重みのあるずっしりとしたビートの上に乗る電子音……。キラキラと輝きながら舞い落ちるこの電子音が夏の夜空を彩る星の輝きを思い起こさせます。



2016年4月20日

新たな和の香りを漂わせるインストゥルメンタル・ヒップホップ ~[flowers_] (beat.tape) By magu.the.dog~


前回の記事で取り上げたビートメイカー、magu.the.dogによるビートテープ。和の香りをほんのりと漂わせる、ダークな雰囲気のインストゥルメンタルのヒップホップを展開しています。



2016年4月18日

ブルーマンデーに藍色のヒップホップを ~old soul ft. christ moon By cnrboy & magu the dog~


ジャズとブルースの香りが漂うヒップホップ……。藍色を帯びたようなブルージーなトラックがいい! MCのcnrboyとトラックメイカーのmagu the dogがchrist moonなる女性シンガーをフィーチャーした楽曲のようです。



2016年4月17日

ヌジャベスの魂を継ぐ者 ~Canvas' By AJMW~


ヌジャベスが好きな人はチェックすべきでしょう、この曲は! リリカルな雰囲気のピアノ、そしてアコースティック・ギターのクールなメロディが心の中をやさしく引っかく、インストゥルメンタルのジャジー・ヒップホップです。

作者はイギリスのビートメイカーであるAJMW。この人はこういう曲を作るのがとても上手い。ピアノとアコースティック・ギターを支える、若干ハネるドラムの音も華麗に踊るウッド・ベースの響きも、どちらもいい!



2016年4月14日

今夜はこれを聴いておやすみ ~VISA (feat. Shing02)(nitsua remix) By nitsua~


ヌジャベスに発掘されたというアメリカ人ビートメイカー、nitsuaがShing02をフィーチャーした楽曲である「visa」。この曲のリミックスがサウンドクラウドにアップされていました。

リミキサーはnitsua本人。ピアノを基調にしたリリカルな雰囲気のジャジー・ヒップホップに仕上げています。



※原曲


2016年4月13日

カセットテープを使ってDJ? ~Vinyl Session - Part # 65 - Tape Deck Edition By BeatPete~


ドイツのヒップホップDJ、ビートピートのDJミックスがとても心地よい……なんていうのはもはやアタリマエ。ところがこれ、これまでとはちょっと違うんです。

タイトルに“Tape Deck Edition”と書いてあるようにカセットテープのデッキを使ってミックスしています。曲を繋げるところの映像が時々出てくるので見てみてると、やっぱりカセットテープの音源を使っていて、ヴァイナルも使っているようです。

音はこれまでと同じく、ローファイな質感のソウルフルなヒップホップとジャジーなヒップホップ。ゆったりとしたヴィンテージ・ソファに身を沈めているような心地よさを味わわせてくれます。



Tracks from:

- Boora
- Intro
- Jonwayne (Tape)
- Ras G
- DJ Spinna
- The Free Design (Tape)
- Daniel Janin & Nancy Holloway
- Bilo503 (Tape)
- Flowtec
- Ras G & Kahil Sadiq
- Metro
- Jonwayne (Tape)
- Hubert Daviz
- Fredfades & Kristoffer Eikrem
- Metro
- bsd.u (Tape)
- wuf

2016年4月12日

ロマンチックでラグジュアリーなビート・ミュージック ~thecity (instrumental) By ΔKTR~


ロマンチックな雰囲気を漂わせる、冒頭サックスの響きから聴き手のハートをキャッチする、ΔKTRなる横浜出身の日本人ビートメイカーによる曲。ディスコ・ファンクやアーバン・ソウルのテイストを散りばめた、きらびやかなビート・ミュージックといった感じの音楽を展開しています。

すっきりと甘いカクテルのようなちょうどいい甘さ、都会の夜景の一部であるかのようなラグジュアリー感……、そういったものがバランスよくミックスされていて何ともおしゃれ。

いつもクールな曲を送り出しているフランス・パリのレーベル、Orikami Recordsからのリリースです。このレーベルはやっぱり素晴らしい!



2016年4月11日

南国へと誘うwun twoのビート ~yellow hibiscus By wun two~


ドイツのビートメイカーであるwun twoが南国フレイヴァーをたっぷりと含んだ、リゾート感溢れるヒップホップ……といった感じの音源をアップしていました。南国の湿った風を思わせる、ホンワリとあたたかい音が心地よく響いています。

奥まったところから聴こえてくるようなこもった音がとにかくいい! リズムのバリエーションやウワモノのメロディで聴かせるというより、音の鳴り方や響き方、そして質感で聴かせる音楽というのかな。

良質なダウンテンポやチルアウトに通じるまったり感ももちろんあります。これを聴いて脳内旅行に出かけましょう。



2016年4月10日

妖艶な香りを漂わせる、甘く色気のあるブレイクビーツ ~EMERALD By GREEN ASSASSIN DOLLAR~


この甘く色気のあるソウル/R&Bに寄せたスタイルは日本人ビートメイカー、グリーン・アサシン・ダラーの新境地と言えるのでしょうか? ここに漂う妖艶な香りはこれまでの作品にはなかったような……。いや、それにしてもこれは傑作。

これまでのダークな雰囲気のブレイクビーツのテイストを軸にして、ソウル/R&Bへ繋いだ、というよりフューチャー・ソウルへ繋いだと言ったほうがいいのかな、そんなインストゥルメンタル・ヒップホップ/ブレイクビーツを展開しています。

奥まったところで鳴っているように聴こえるスカスカの音のドラムと、あえてチープに仕上げたと思われるウワモノのフレーズが絡み合うさまは、妖しげな暗がりに甘美な音の波が広がっていくかのよう。

女性シンガーのヴォイス・サンプルやシンプルなピアノ、ゆったりとたゆたう電子音が何とも甘く、そして艶っぽく響いています。6曲目「HARD CORE」(この曲名なのにハードじゃない!)から、7曲目「Moment Of The Moment」への流れ……、ここなんかは特にいい!



2016年4月7日

なまめかしく迫るフューチャー・ソウル・ミーツ・ビート・ミュージック ~Home EP By Jamie Blake~


ジェイムス・ブレイクならぬジェイミー・ブレイクなるアメリカのビートメイカーによる作品。ジェイムス・ブレイクばりに色気のある、フューチャー・ソウルやトラップのテイストを注入したビート・ミュージックを展開しています。

キラリと輝くツヤのある電子音やなまめかしい雰囲気を振りまくヴォイス・サンプルを厚みのある低音域の上に重ね合わせる……といった作りです。ドラムンベースっぽい変拍子のリズムがいいアクセントになっています。



2016年4月5日

続・心地よいブレイクビーツによる極上のチルアウト・タイムをあなたに ~IM DROPPING PART 2 TOMORROW By [matador]~


昨日に引き続き、まったりとした雰囲気の心地よいブレイクビーツ。アメリカ・テキサスのビートイメイカーである、[matador]による作品です。

静かに沈み込むリズムとしっとりとしたウワモノのメロディが重なり合う、3部構成の作りの約6分30秒の音源。2分50秒あたりから始まる、雨降りの音を取り込んだような曲のリリカルな雰囲気がとてもいい。



2016年4月4日

心地よいブレイクビーツによる極上のチルアウト・タイムをあなたに ~Threefinger Beat Set Vol. 11 By Juan RIOS~


週のアタマの月曜日から何だか疲れたなぁ、くたびれたなぁという方は、この音源を聴いて癒されてみてはいかがでしょうか。これを聴いていると、あたたかい波にプカプカと浮かんでいるような、心地よさを覚えます。

作者はJuan RIOSなるスペインのビートメイカー。音楽的にはチルアウトのテイストをたっぷりと含んだブレイクビーツ、もしくはダウンテンポ……といった感じです。

気持ちよさそうに揺れるリズムと、トロピカルな雰囲気を漂わせるきらびやかな音の粒を混ぜ合わせて、南国の夕暮れ時のビーチが目に浮かんでくるような……、そんな音楽を展開しています。





2016年4月3日

ただボーッとして、音に身を浸しましょう ~A TRAVÉS DEL ESPEJO By FEDERICO DURAND~


アルゼンチンのクリエイター、フェデリコ・デュランドの新作がリリースされていました。今回はテイラー・デュプリーのレーベルである12kからのリリースです。

音楽のスタイルはほぼこれまで通り。古いカセットテープの音源を切り貼りしたかのような、あたたかみのある音で構成されたアンビエントを展開しています。ここにある明確なメロディを奏でることのない曲たちは音楽と言えるのか、ただの音の連なりなのか、そんなことを問いたくなる作品です。

とはいえ、そんなことは考えずにただただボーッとして、音に身を浸せばそれでいいのではないでしょうか。そうすれば昔のなつかしい光景が目の前に浮かんでくるかのよう。世間の喧騒から遠く離れた静かな心地よい世界へ連れて行ってくれます。



2016年4月2日

コズミックなジャズ・ファンクを展開する、ブラック・ミルクによるバンド・プロジェクト? ~Sunday Outtakes By Black Milk & Nat Turner~


ブラック・ミルク&ナット・ターナー……。ビートメイカーであり、プロデューサーであり、MCでもあるブラック・ミルクによるバンド・プロジェクトのようです。

今回紹介する作品はタイトルに“アウトテイクス”とある通り、アルバムなり、シングルなりに収録されなかった音源なのだと思います。そういう作品ではあるものの、決してダレてはいない、引き締まったジャズ・ファンクを聴かせています。

ヒップホップのビートメイカーらしい硬質なドラムとベース、そして流麗に滑るシンセサイザーがコズミックな雰囲気を生んでいます。2曲目ではファラオ・サンダースの曲に出てきそうなコーラスが聴こえてくる瞬間が。

もうすぐリリースされる『ザ・リベリオン・セッションズ』という作品が本編と言えるものなので、そちらで本領を発揮しているはず!