2018年7月25日

ワルいヤツらが奏でるインストゥルメンタル・レゲエ、そしてダブ ~Soul Constitution: Instrumentals & Dubs 1971-1982 By Aston 'Family Man' Barrett & The Wailers Band~


ルードボーイによるインストゥルメンタルのレゲエ、そしてダブ……、とでも言ったところでしょうか。ギターやキーボードは妖しく揺らめき、ベースは低音域をうごめくように鳴り、ドラムは終始クールにリズムを刻む。ワルいヤツらが演奏しているかのような雰囲気を感じます。

そんなこの作品はジャマイカ出身の名ベース・プレイヤー、アストン・バレットがボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのメンバーとして世界ツアーを行っていた、1971年から1982年の間にジャマイカで録音した音源を集めたもの。

ワイルドでゴツくてイカツい、そういうレゲエが好き、という人に好まれそうな作品です。また、これはボブ・マーリーのみならず、数多くのアーティストを支えた、アストン・バレットの理想のレゲエなのでしょうか。



2018年7月23日

ラジカセから聴こえてくるようなヒップホップ ~live at Setting-up vol.2 By jaz rawla~


BボーイやBガール、もしくはブレイクダンスを踊るダンサーたち……、そんな人たちが好みそうなジャジー・ヒップホップ? オールドスクール・ヒップホップのフレイヴァー、そして古めかしいジャズのフレイヴァーを絡めたヒップホップを聴かせるDJミックスです。

ミックスをしているのはJaz Rawlaなる人物。DJをやりつつ、ビートテープのリリースもしているようです。このミックスはライヴ・ミックスで、古いラジカセから聴こえてくるような、バサバサした粗い音がいい!

こじゃれたジャジー・ヒップホップじゃなくて、ファンキーで、やんちゃなやつを聴かせてくれよという人はぜひこれを!



2018年7月21日

この美しいアンビエント、ニュー・エイジを聴いて、心は桃源郷へ…… ~Em Paz By Kaoru Inoue~


聴いていると心が洗われ、そして心が自然に帰るかのよう……。心は俗世界を離れ、桃源郷へ……。こんな言葉がおおげさに聴こえないほどに美しく、滋味豊かな音楽を展開する井上薫の作品です。

大ヴェテランと言っていいほどのキャリアがある、井上薫のチャリ・チャリ名義の作品を待っていた人にこそ届けたいアンビエントやニュー・エイジ、バレアリックといった風の音楽が中心。そこにタブラやシタールの音を絡めたインド音楽の趣のある曲を挟み込んでいます。

木漏れ日のようにキラキラと輝くギターの音からはあたたかみを、ゆったりとたゆたう電子音からは清涼感を、鼓動のような打楽器のリズムからは静かな躍動感を感じます。何だかこれ、仙人が奏でる音楽のようです。



2018年7月15日

清冽なアンビエント・ミュージックに身をまかせ ~A Little Long Day By Rhucle~


青く澄んだ美しい水のような、もしくはその美しい水が流れる川を見ている気持ちにさせるような……、そんなアンビエントが並んだ作品。作者はRhucleと書いて、ルクと読む、日本人クリエイターです。

全11曲、約61分間、ほぼ同じテイストの曲が続いていきます。とはいえ、飽きるなんことはまったくありません。聴き始めたら、この清冽な音よ、いつまでも続いてくれ……、と思うことでしょう。

曲が切り替わることを意識することもなく、ふと気付いたら最初の曲に戻っていたという感覚を覚えます。では、美しい音の流れに流されましょうか。



2018年7月8日

この美しいダブと共に夢の中へ ~Captain Ganja and the Space Patrol By Tradition~


夢見心地の世界が、幻想的な世界が、目の前に広がっていく美しいダブ。いい夢を見れそうです。エレピやサックスの音がホワンホワンと浮遊し、エレキギターや打楽器の音が飛び交い、これらの音と重いドラムの音を繋ぎ合わせるようにベースが鳴る……。そんな作りの曲が並んでいます。

イギリスのラヴァーズ・ロック・バンドであるトラディションが1980年にリリースした作品。ヴォーカルものをダブ・ミックスしたもののようです。自然の音や人の声などのSEを多く使っていて、バレアリックっぽい雰囲気や南国のあたたかい風を感じる瞬間もあります。

そしてラヴァーズ・ロックらしい甘さが残されているところが、この作品を特別なものにしているのか? と、思いました。音の重さや強靭さ、強度を追求するダブとはまた違ったダブの魅力がここにはあります。

ディスクユニオン下北沢店でこの作品のCDを見たときに下の文章が添えられていました。下の文章を読んだら、聴かないわけにはいかないでしょう!

断言します。これ以上素晴らしいUK産のダブは存在しません。
断言します。これ以上独創的なダブはレゲエの歴史の中でも存在しません。
断言します。80年代に作られたあらゆるレコードの中で最も美しい作品です。



2018年7月4日

ブルースを歌うようにラップを…… ~I Still Don't Know Anything By albert b.~


まぎれもなくヒップホップなのだけれど、どこかにうっすらとブルースの風合いが……。と、こう思わせるのはかっちりとしていなければ、力んでいもいないラフな、ブルースマンが言葉をつむいでいくような、そんなスタイルのラップにあるように思います。

そのラップはalbert b.(何と読むのでしょうか?)と名乗るアメリカのMCによるもの。クラシカルなブルースやジャズの雰囲気をまとった、しんみりとした空気を漂わせるトラックも自身で手掛けていると思われます。

派手なメインストリームの世界から目をそむけたかのような、クールな作りのヒップホップ・アルバム。この作品にあるクールな美しさ……。これは郊外でひっそりと美しく輝く光とでもいったとことでしょうか。



2018年7月1日

ヒップホップからアンビエントを繋ぐ心地よいビート・ミュージック ~Breeze And Its Recipes By Flitz & Suppe~


ゆったりとたゆたうビートとピアノ、ギターが織りなす心地よい世界……。おぼれましょう、この世界に。良質なアンビエントに通じる心地よい音を持ったインストゥルメンタル・ヒップホップ、ブレイクビーツ、ダウンテンポといった趣の音楽を展開する、ドイツのFlitz & Suppeなるデュオによる作品です。

あくまでも軸はヒップホップ。ヒップホップからアンビエントへアプローチした音楽といったところでしょうか。これを聴き終わったときに感じるさわやかな心地よさ……。これがもうたまりません。この感覚を求めて再生ボタンを押しましょう。