2018年11月30日

夏だけではなく、冬も楽しもう、このソウル・ミュージックはそういう音楽 ~熱さまし | a chill & slow summer mix 2018 By beipana~


『summer mix 2018』というタイトルが付けられた、まあ、夏向けのDJミックスではあるのですが……。あまりの心地よさに心がトロけたので、これを書いているのは11月ということを理解しつつ、ここで取り上げます。

ミックスをしたのはbeipanaと名乗る日本人DJ。内容はユルく、チルアウト感が満載のソウル、R&Bが中心です。ダウンテンポのようなゆったりとしたリズムと、ややレトロな質感の音が心地よさを生むのと同時に、こじゃれた雰囲気を演出しています。

音に温もりがあるから、冬に聴いたらほっこりすること間違いなし。これを聴いて暖まりましょう。そしてチルアウトしましょう。

2018年11月22日

レゲエとダブ、ジャズが融合し、美しい境地へ…… ~Chaliwa By New Zion Trio~


レゲエとダブ、そしてジャズが混ざり合うことによって、こんなにも美しい音楽が……、できあがるのですね。ドラムとベースががっちりと固めたリズムの上に、硬質なピアノの音が美しく舞っています。

そんな本作はアメリカ・ニューヨークのバンドであるニュー・ザイオン・トリオが2013年にリリースした作品。最近リリースしたものかと思ったら、まったくそうではありませんでした。

レゲエらしいゆったりとしたリズムを刻みつつも、緊張感と言ってもいいほどのシャキッとした雰囲気を漂わせています。それでいて、ピアノはたゆたうような心地よい空気を生むという、緊張と弛緩のバランスがばっちりと決まった作品です。

ニュー・ザイオン・トリオのメンバーは以下。

ジェイミー・サフト(ピアノ、フェンダーローズ)
ラリー・ゲレナディア(ウッドベース)
クレイグ・サンティアゴ(ドラム)

2018年11月20日

幸せの音を放射する、優雅に舞うロックンロール ~And Nothing Hurt By Spiritualized~


空から舞い落ちてくるよ、幸せの音が。その音を、さあ、浴びようではありませんか。これは幸せの音を浴びる約49分間の旅。イギリスのロック・バンドであるスピリチュアライズドがそんな作品を届けてくれました。

ゴスペルっぽいところがある歌のメロディ、ガレージ・ロックを演奏するバンドが鳴らしそうな歪んだギターの音、そして華麗にゆったりと鳴り響く、オーケストラが奏でているようなストリングスの音。……というあたりに特徴があるスピリチュアライズドらしいロックを展開しています。

やさしさや温もりを感じる、ジェイソン・ピアースのややねっとりとしたヴォーカルも実にいい。明日生きていく力を、これから生きていく力を、与えてくれる音楽。ちょっとおおげさかなと思いつつ、こう書いておきます。

2018年11月1日

広がる地下のヒップホップの世界 ~Homework By KEV BROWN~


地下のヒップホップの世界へようこそ……。地下倉庫のほこりの中から立ち昇ってきたかのような、ザラッとした質感の音は揺れ動きながら、聴き手にそう語りかける……。

……と、そんな具合にアンダーグラウンドの香りを濃厚に漂わせる、アメリカのビートメイカー/MCであるケヴ・ブラウンによる作品。古いソウルやジャズのレコードからサンプリングした音を何も加工せずに使ったような、音の生々しさというのか、むき出しぶりというのか、それが大きな特徴です。

トラックメイクからラップまでをブラウン自身でこなし、全29曲、トータルタイム約50分というコンパクトな作り。地下のヒップホップの世界が、ブラウンの音楽の世界が、ギュッと凝縮されています。