2019年1月31日

何でもない日常に潤いを ~Day By Day By yutaka hirasaka~


淡々と、あくまでも淡々と、続いていく音楽。こう書くと退屈な音楽だと思われるかも? いや、しかし、それがとてもいいのです。淡々と刻まれるリズムの上で、エレキ・ギターとピアノがしっとりとしたきれいなメロディを淡々と奏で、それが何でもない日常を気持ちよく過ごすためのBGMとなる……。

ここにはアンビエントやエレクトロニカの風合いを加えた、そんなインストゥルメンタル・ヒップホップが並んでいます。yutaka hirasakaなる日本人クリエイター(プロフィールの記載はギタリスト兼コンポーザー)による作品です。

タイトルは『デイ・バイ・デイ』。一日一日、あるいは日々といった意味の言葉のようです。つまり、この作品で展開されるのはまさにタイトル通りの音楽である!と言っていいでしょう。

そして何よりも心惹かれるのは、ほんのりと漂う切ない雰囲気。心地よい切なさに浸るか、おぼれるかしましょう。

2019年1月27日

このブレイクビーツ/インストゥルメンタル・ヒップホップにはおしゃれさと茶目っ気が ~THE PAST By TSUBAME~


ファンキーさとメロウさのバランスが実にいい感じ! ……といった風のブレイクビーツ/インストゥルメンタル・ヒップホップが並ぶ、日本人ビートメイカーのTSUBAMEによる作品。全7曲でトータルタイム約20分という短めの尺にまとまっているので、サクッと聴けます。

何だかひょうひょうとしていると言いますか、軽さがあると言いますか。ほんの少しの茶目っ気とおしゃれさが加味されていて、シティ・ボーイによるヒップホップ、といった趣を感じます。3曲目「RUNNING」のピアノと電子音が絡み合って生まれる流麗な音に、まずはヤラれましょう。


2019年1月21日

あなたが知っておくべきドープなジャズ・ピアニストであり、ビートメイカー ~"Here(Live)", "Movin'(Live)", and "Em Orait" By Aaron Choulai~


アーロン・チューライなる人物……。パプアニューギニア出身で東京在住のジャズ・ピアニストであり、ビートメイカーであり、という方のようです。サウンドクラウドにアップされていた音源に心が躍らされたので、取り上げます。

クラシカルなジャズとヒップホップからポエトリーリーディング、そして甘口のソウルの風合いを色濃く漂わせるインストゥルメンタル・ヒップホップまでの音楽を、クールにサラッと聴かせています。






2019年1月15日

心を静める、心をいたわる、やさしい歌モノの電子音楽 ~Daylight By swim good now~


チルウェイブとフューチャー・ソウルが重なり合った、トロトロにトロけるような、フワフワとたゆたうような歌の世界。カナダ・オンタリオ州のプロデューサーであるジョナサン・ローレスが、スイム・グッド・ナウという名義でリリースした作品です。

丸っこい手触りの電子音があたたかいふとんのように体を包み込みます。これを聴き終わったら、グッドナイト、おやすみなさい。安心して、よく眠りなさい。そんなことを言いたくなる、温もりに溢れた歌が並んでいます。

歌声はキラキラと静かに輝き、その輝きは夜空の星のよう。……といった感のある歌はすべてがゲスト・ヴォーカルによるものらしく、ローレス自身は歌っていないようです。そしてどの曲もヴォーカルの歌声がよく合っています。




2019年1月11日

ぬくぬくとした音に、おしゃれな音に、心をうばわれて ~Chillhop Essentials - Winter 2018 By Chillhop Records~


ぬくぬくとしたビートが身も、心も……、あたためます。オランダに拠点を置くレーベル、チルホップ・レコーズのコンピレーション・アルバム。2018年冬版です。このレーベルらしい温もりに溢れたインストゥルメンタル・ヒップホップを存分に楽しめます。

エレクトロニカやダウンテンポ、ジャズを通過したヒップホップが中心。どの曲も静かな夜にひっそりと鳴っているかのような、しんみりとした空気を漂わせ、心地よい切なさ……、といった雰囲気を生んでいます。そして何よりもいいのはおしゃれなところでしょう。このおしゃれさに心をつかまれます。


2019年1月10日

春のあたたかな日差しに導く歌 ~Persona. - EP By 荒田 洸~


これを書いているのは2019年1月10日。当然のことながら寒いです。そんなときにこういうあたたかい歌モノの音楽を聴くと、春が待ち遠しくなります。ここにあるのはあたたかく、やわらかい、春の風のような歌。日本のバンド、ウォンクのドラマーである荒田洸による作品です。

音楽の傾向としてはフューチャー・ソウルとエレクトロニカ、シティ・ポップを混ぜ合わせた、といった感じでしょうか。ヴォーカルは荒田が担当しているらしく、甘くおだやかな歌声を聴かせています。その歌を支えるギターやベース、ドラム、キーボードの音も、これまたおだやか。






2019年1月8日

ダンス・ミュージック・シーンの新星? ~Pending Matters By Qrion~


クールな、スタイリッシュな、端正な。そういう言葉で表現したくなるディープ・ハウス。Qrionという1994年生まれの日本人女性による曲でして、女性が作ったと聞くと、女性らしいなあと、どういうわけか思います。

この曲から感じる女性らしさ。それはうっすらと散りばめられた可憐さ、しなやかに滑走するバスドラム、そして音のきめ細やかさ……。そんなところにあるように感じます。




2019年1月7日

寒い日の静かな夜に ~reverie By shogonodo~


あけましておめでとうございます。昨年末は少し忙しかったため、ブログの更新が滞っておりました。今日から再開です。2019年はヒップホップとエレクトロニカ、それからポスト・クラシカルが重なり合ったような、このステキなインストゥルメンタル(1曲はヴォーカルもの)で始めます。

フランスのshogonodoというクリエイターによる作品。おだやか、かつ、おしゃれ、そしてときにリリカルな雰囲気を漂わせ、何とも心地よい音楽を生み出しています。おしゃれさを感じさせるのはジャジーなピアノの響きがあるからでしょう。たゆたうようなゆったりとしたテンポの曲が中心で、一日の終わりによく合いそうです。