2014年5月27日

日本の『セカンドハンド・シュアショッツ』? ~Time is a Thief by EN Tokyo~


5ドル以内で中古レコードを買って、トラックを作る、という企画の模様を収めた『セカンドハンド・シュアショッツ』なる映像作品が数年前にリリースされました。デイデラス、ノーバディ、J・ロック、ラス・Gというロサンゼルスを代表する4人のビートメイカーが出演し、彼らがレコードに関するうんちくを語りながらレコードを買い、トラックを作る……、この様子は見ていてとてもおもしろいものでした。

東京の神保町で毎月行われているという“EN Tokyo”なるイヴェントは、日本の『セカンドハンド・シュアショッツ』と言えるのではないでしょうか。このイヴェントは“参加者の縁で集まったビートメイカー達が、神保町近辺を中心にレコードでネタを堀り、美学校のアトリエでビートメイキングするイベントです”とのこと。

そして今日取り上げる『Time is a Thief』は“EN Tokyo”によるコンピレーション・アルバムです。ダウンテンポ/チルアウト寄りのインストゥルメンタル・ヒップホップといった感じの音楽が収められています。CRДM、Youtaro、matatabi、Arµ-2などの日本のビートメイカーから、Bluestaeb、Melodiesinfonie、Khryoなどといった海外のビートメイカーも参加しています。

このコンピレーション・アルバムの内容がいいのはもちろんのこと。ネタ掘りからトラック制作、完成までを1日で終わらせる、海外のビートメイカーとも交流し、ひとつの作品としてリリースする、こういうことをやる身軽さがいいですね。ロサンゼルスのビートメイカー、マッドリブがこんなことを言っていたのを思い出しました。

“30分以上かかることはないよ。普通は5分くらい。時間がかかったことは一度もないんだ。とにかく作って、できたら次に移る。次、次、次ってな感じで。で、1曲5分が限度って感じかな。それがヒップホップってものだ。わかるだろ?”

マッドリブが言うように素早く、身軽に、直感的に作ることがヒップホップの本質であるのであれば、“EN Tokyo”はヒップホップの本質を突いているのかも……。

※“EN Tokyo”の模様はこちらのサイトに詳しく書いてあります。
※“EN Tokyo”のホームページはこちら



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