2018年2月25日
アンビエントとディープ・ハウスを絡めて届ける、透徹した美しい音…… ~Tidal River By Albrecht La'Brooy~
アンビエントとディープ・ハウスのはざまで揺れる音楽? 冒頭ではブルース・フィーリングのあるギターのフレーズが聴こえてきたりも……。オーストラリアのアレックス・アルブレヒトとショーン・ラブロイからなる、アルブレヒト・ラブロイによる作品です。
真っ白い雪に覆われた美しい自然の世界が目の前に広がっていくような、そんな感覚を覚えます。きりりと引き締まったリズム、しっとりと舞い落ちる電子音、繊細な輝きを散りばめるピアノやギター……。澄み切った空間に凛とした美しさを感じさせるこれらの音がこだましていくさまを見届けましょう。
2018年2月21日
暗闇で美しい輝きを放つインストゥルメンタル・ヒップホップ ~Journal | Extended By Dday One~
安定の力作といったところでしょうか。過去にリリースした作品と同様に、これもまた力作。アメリカ・ロサンゼルスのビートメイカーであるディーデイ・ワンが暗がりに潜む美……、とでも言えるような一瞬を切り取ったかのごとき、ダークな色彩の美しいインストゥルメンタル・ヒップホップを聴かせています。
ややひっそりと? リリースされたのかどうなのか。2017年にリリースされたこの作品はそれほど話題にはならなかったような、そんな気がします。いや……、話題になるかどうかなんて関係なく、これは素晴らしい! DJクラッシュやDJシャドウ、はたまたスクエアプッシャーなどが残した作品と並べて聴きたい作品です。
ヒップホップを軸にして、リリカルであったり、メランコリックであったりする雰囲気のジャズやソウル、そしてサイケデリック・ロックや和のテイストの旋律までをも巧みに混ぜ合わせ、音の色彩/雰囲気を様々に変化させていくさまがとにかく素晴らしい。これは野蛮で美しいヒップホップ……。その姿を見届けましょう。
2018年2月18日
しっとりとした夜にはこのビートを…… ~Two / Seven EP By Aso~
静かな夜に、こういうしっとりとしたインストゥルメンタル・ヒップホップはいかがでしょうか。何かいやなことがあった日であっても、この音楽があればその日を気持ちよく終わることができそうな、そんな気がしてきます。アメリカのビートメイカーである、AsoのEP作品です。
ヌジャベス・チルドレン、もしくはヌジャベス・フォロワー、そう言われるであろうヒップホップにジャズを絡めた音楽を展開しています。雨が静かにしとしとと降った後のようなしっとりとした質感の音は心地よく、リリカルなメロディを奏でるピアノと草原に吹くやわらかい風のように流れるフルートの音は美しい……。
ヌジャベスとJ・ディラに敬意を表して制作したという作品。部屋の照明をすこし落として……、この音楽を再生しましょう。そして眠りましょう。
2018年2月14日
旅するビート、南国へ…… ~vapowavez By Wun Two & Hubert Daviz~
このトリップ感とチルアウト感……。南国に浮かぶ孤島にでも連れていかれるかのよう。そんな地に導くのはドイツのビートメイカーであるWun TwoとHubert Daviz。これほどまでに脱力したユルいインストゥルメンタルのヒップホップを作るビートメイカーがいるドイツってのは、いったいどういう国なのでしょうか。
音楽のスタイルとしてはジャズとソウル、それからボサノヴァなのか何なのか、南国っぽい音楽を取り込み、ヒップホップに落とし込んだといった感じ。何度も録音を繰り返して劣化したのか、はたまた、膜にくるまれたのかしたようなローファイな音がやさしく響いています。
そして全体にそこはかとなく漂う南国フレイヴァー……。そのフレイヴァーが南国へと誘います。流されましょう、導かれましょう、音に……。
2018年2月12日
幸福へと……、壮大な何かへと……、導くアンビエント・ミュージック ~Kira Kira By The Irresistible Force~
溢れてくるよ、幸せの音が……。聴いていると、心が幸福に満たされるかのようではありませんか。キラキラと光り輝きながら舞い落ちる音の粒に包み込まれる音の旅を体感しましょう。
幸せの旅へと導くのはアンビエントやバレアリック、チルアウトを少々……、といったあたりを含んだ音楽。イギリス出身のクリエイター、ミックスマスター・モリスのイレジスティブル・フォースなる名義による作品です。
アンビエントやバレアリックを軸にして、瞑想へと導くような東洋音楽っぽいテイストの音とメロディを取り込みつつ、そして空へと舞い上がっていく……、そんな壮大なスケールを感じます。音を浴びるように聴く……、いや、体感しよう……。
2018年2月9日
時間がゆっくりと経過する世界で流れるソウル・ミュージック ~Blood By Rhye~
心地よい陶酔に、そして官能に……、さあ、おぼれましょうか……。カナダ出身とデンマーク出身の男性2人からなるライが奏でる、温もりに溢れたソウル・ミュージックがあたたかいまどろみの海へと……、導いてくれます。
ドラム、ベース、キーボード、ギターなどといった楽器の必要最小限の音で構成された曲が並び、一音一音の音の響きが妙になまめかしく、エロティック。音の数が少ないがゆえに音のなまめかしさが際立つのでしょうか。
そしてどこか気だるいメロディをしっとりと歌い上げる、中性的な歌声は肌ざわりがよく、心をやさしく慰撫するかのよう。この音楽を前にしたら、どんな荒れた心もなぐさめられそう。
なめらかな絹にそっと触れるような、そんな体験を思い起こさせる音楽。どうぞごゆるりと……、ライの音楽はそう語りかける……、かも。
2018年2月6日
ハードに、ときにスウィートに ~here By Kojoe~
いやはや、もう、これ、どこをどう切ってもかっこいいと言いますか。ワルそうなというより、しっかりとワルい、ヤサぐれたヒップホップ。この音楽にしっかりとヤラれました。音の端々から、作品に関して軽く語ることをためらうほどのヒリヒリとした感触を覚えます。
そんな本作はビートメイカーであり、MCでもある日本人、コージョーによる作品。硬質なビートに無骨なジャズをぶつけたようなトラックが中心です。MCは多数参加しており、なかでも4曲目のマイルズ・ワードのラップがこの作品のヤサぐれたムードにバチッと合っていて、聴きながら、おおぅと声を上げそうになりました。
ワルいだのヤサぐれてるだの書いてきましたが、ちらりと見せる甘さにホロッとさせられる瞬間も……。心にグサッとささり、そしてそれを癒すトラックとラップ、とでもいったところでしょうか。
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