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2022年11月19日

静かな夜に寄り添うように ~Violet By Robohands~ (2022 Release)


聴いていると、しっとりとした質感の音がたゆたいながら静かに着地していく様を見ているような気持ちになります。夜の静寂に寄り添う、夜の闇に溶け込む心地よい音楽です。淡々と……、心地よい音が淡々と続いていきます。

イギリスのマルチインストゥルメンタリスト、ロボハンズの作品で、これが通算4作目。ここで基調としているのはジャズ、ダウンテンポ、アンビエント、ポスト・ロックあたりでしょうか。静かな夜に、ぜひどうぞ。

2022年11月6日

あたたなか日差しのもとでまどろみながら ~Loris S. Sarid By Seabed​-​Sunbath~ (2022 Release)


あたたかな日差しが降り注ぐ田園へようこそ、という言葉が似合いそうな心地よい音楽です。スタイルとしてはニューエイジ、もしくはアンビエントといったところでしょうか。作者はロリス・S・サリッドというスコットランド・グラスゴーで活動するクリエイター。

ピアノ、カリンバ、ホーン、ストリングスなど様々な音が明確なメロディを描くようでもあり、しかしただ鳴っているだけでもあるようにしながら、おだやかな雰囲気を作っています。ポコポコとなるリズムの音もかわいらしい。そんなふうにして心地よいまどろみを届けてくれます。

2022年10月1日

ハルカ・ナカムラが描く、ヌジャベスが残した美しい旋律の続き ~Nujabes PRAY Reflections By haruka nakamura~ (2021 Release)


ハルカ・ナカムラが奏でるピアノの旋律が美しく浮かび上がり、そしてその余韻を残したまま、切なさも一緒に残して消えていく……。ヌジャベスが残した美しい旋律が見え隠れしながら、ナカムラらしさもしっかりと刻み付けられています。

一言で言えばヌジャベスの曲をカバーしたカバー・アルバム。特定のジャンルにカテゴライズするのであればポスト・クラシカル、もしくはニューエイジでしょうか。しかしそれだけで終わるのはあまりに雑すぎる、丁寧に、丹念に作りこまれた作品です。



2022年7月15日

甘くメロウなギター・インストゥルメンタル、またしても再び ~COVERS 11 By Justice Der~ (2022 Release)


ローファイなアンビエント?とでも言いたくなる音楽です。ローファイと表現されるギター・ロックを演奏しているバンドがアンビエントを作ったらこんな感じになるかも……、そんなことを思わせます。

作者はジャスティス・デアというアメリカのクリエイターで、『カヴァーズ・10』の続編となる作品です。アンサンブルの中心にある柔らかな響きのギターと丸みを帯びたドラムの音がおだやかに、のんびりと重なり合い、朗らかな表情を見せています。

2022年5月5日

くつろぎの境地へと誘われ ~Where The Round Things Live By Loris S. Sarid & Innis Chonnel~ (2022 Release)


リゾート感とリラックス感があふれる、たまらなく心地よい音楽。気持ちはくつろぎの境地へ……、そんな趣きがあります。ほわほわと浮き上がる電子音とスティールバンのような音をアンサンブルの中心に置いた、エレクトロニカやアンビエントにダブを少々加えたような音楽を展開しています。

作者はLoris S. SaridとInnis Chonnelというイタリア出身の2人の人物。本作のリリース元のレーベルである12th Isleはスコットランドにあるそうです。実験電子音楽のレーベルのようですが、ここには実験的といった言葉から連想される小難しさは皆無。気持ちよさそうに流れる音の波におぼれましょう。

2022年2月13日

夕暮れ時に映えるおだやかな音楽 ~MFM Mix 035: Alex Ho~


心地よいサウダージ感とおだやかなユルい空気が流れます。夕暮れ時に何もせずにボンヤリと……、そんなふうにして聴くと気持ちよさそう。アメリカのアレックス・ホウというクリエイターが、オランダのレーベルであるミュージック・フロム・メモリーのDJミックスシリーズに提供したDJミックスです。

ゆったりとしたテンポのシンセ・ポップ、バレアリック、ダウンテンポなどが中心。美しい情景を描きながら、気持ちのいいさわやかな音楽を最後まで聴かせます。聴き終わるときには心が洗われるような感覚が。

2022年2月2日

厳かな空間に響くおだやかなピアノの旋律 ~Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020 By 坂本龍一~ (2021 Release)


静かな空間におだやかでしっとりとした質感の少し重みのあるピアノの音が染みわたっていきます。聴こえてくるのはそのピアノの音のみ。坂本龍一が2020年12月12日に開催したオンラインコンサートの模様を収録したライヴ・アルバムです。

楽しい、あるいはリラックスと表現する音楽とは違い、若干の緊張感や厳粛な空気を感じますが、良質なアンビエントに通じる心地よさがあります。静かな部屋で照明を少し落として聴くといい感じです。

2021年2月3日

日本のチルアウト/バレアリック・ミュージックの先駆者の素晴らしさを存分に ~20 Years Live Citrus By Calm~ (2020 Release)


エレクトロニカ、ダウンテンポ、バレアリック、ジャズ……、といったあたりを横断する、いや、もっと広い範囲に渡るでしょうか……。日本人クリエイター、カームのライヴ・アルバムです。ゆったりとしたテンポで余裕たっぷりに、空に昇るような大らかな演奏を聴くことができます。

何よりも素晴らしいのは緊張と弛緩のバランス。チルアウト寄りの音楽、そして全11曲で2時間超えというヴォリュームの作品の中でありながらも緩むことはなく、最後まで一本の筋がびしっと通った音楽を堪能できます。たゆたうような心地よさの中に程よい緊張感がある、という感じです。

活動20周年を記念したライヴの模様を収録したもので、それにふさわしく、カームの音楽の素晴らしさが隅々まで行き渡っています。カームの音楽が好きな人にも、まだこの音楽に触れたことのない人にも届けたい作品です。

2021年1月7日

遠い昔を描く電子音楽 ~Selected Works 2010​-​2015 By Patrick Ellis~ (2020 Release)


やんちゃでかわいらしく、それでいて落ち着いていて穏やかな、シンセ・ポップやドリーム・ポップに近いところもあるエレクトロニカを収めた作品。全曲インストゥルメンタル。作者はアメリカ・ニューヨークのパトリック・エリスというクリエイターで、これまでに制作した曲をまとめたものです。

全編に牧歌的なのんびりとした雰囲気が漂い、時間がゆっくりと流れていくかのよう。音にはアンティーク家具のようなあたたかみがあり、遠い昔の田舎の風景を頭の中に描きます。聴いている間、聴き手をそっとあたたかく包み込んでくれる音楽です。

2020年12月19日

この国籍不明のダンス・ミュージックはどこへ行く? ~Giuseppe Leonardi By MenteMente~ (2020 Release)


パッと聴いて、不思議な印象を受けるのは中近東っぽい雰囲気を漂わせているからなのでしょうか……? この不思議な雰囲気はクルアンビンの音楽にも通じるような……? そんなことを思わせるサイケデリックなバレアリック・ハウス、もしくはシンセ・ポップと言えそうな音楽です。

作者はオーストリア出身のジュゼッペ・レオナルディなるクリエイター。ベースとシンセサイザーが不穏な空気を生み出し、聴き手を未開の地に連れて行くかのようです。時おり差し込まれるヴォイス・サンプルもこれまた不穏。どこから生まれたのかよく分からない、国籍不明のグルーヴがウネっています。

2020年11月14日

美しい音を丁寧に重ね合わせて ~Literature By Tomotsugu Nakamura~ (2020 Release)


アコースティック・ギターやピアノが奏でるメロディの断片とグリッチ・ノイズ、そしてフィールド・レコーディングで採取した音を重ね合わせた、しっとりとした質感の音を基調にしたアンビエント。日本人クリエイターのトモツグ・ナカムラによる作品です。

少し触れたら雰囲気が壊れてしまうのではないかと思わせるほど、それぞれの音が繊細に重ね合わされています。そのようにして生み出された音楽はジャケットに描かれている美しい自然の中に流れているかのよう。引き締まった空気と心地よさが同居する本作は、アンビエントの名作と呼ばれるようになるかもしれません。

2020年8月13日

真夜中に寄り添うように ~Ocean Park By Danny Clay~ (2020 Release)


電子音、弦楽器、そして声……。そういった音たちが重なり合いながら、ゆったりとたゆたうように流れていくアンビエント。やや暗い印象を与える音は美しく、うっすらと鳴るノイズは心地よく感じられます。

夜の深い時間に合うこの作品の作者は、アメリカ在住のダニー・クレイというクリエイター。ダーク・アンビエントやドローンが好きな人は好きになると思います。

2020年8月2日

平和でおだやかな空気が流れるアンビエント、エレクトロニカ、ニュー・エイジ ~Fools' Harp Vol. 1 By Fools~ (2020 Release)


ふわふわと宙に舞うふんわりとした感触のやわらかな音が心地よく響く、アンビエント、エレクトロニカ、ニュー・エイジといった音楽が並ぶ作品。電子音にはサイケデリックなところがあったり、リズムには民族音楽っぽいところがあったりして、異国の地へと導かれるようです。異国の地とはインド? そんなことを思わせます。

本作はアメリカのインディ・ロック・バンド、グリズリー・ベアのドラマーであるクリストファー・ベアのソロ作品。すべての楽器を一人でプレイし、制作したとのこと。きれいな空気が流れる自然豊かな平和な土地で制作されたのでしょうか。ヤサぐれた心を丸っこくしてくれる、ピースフルな雰囲気が広がる大傑作です。

2020年6月30日

辺境のダンス・ミュージック ~The Goddess Is Dancing By D.K.~ (2020 Release)


ベトナムの霊的儀式ハウドンに使用される踊り/音楽をイメージし……、制作された音楽とのことです。そう聞いてもどういう音楽なのかイメージできませんね……。バレアリックとハウス、ダブ、サイケデリック、ダーク・アンビエントを混ぜ合わせた暗い音楽。言葉で説明するとこんな感じでしょうか。

作者はD.K.というパリで活動するプロデューサー。全編をスピリチュアルな雰囲気が支配し、神聖な踊りのための音楽であるかのよう。タイトルにゴッドという言葉が付いていますしね。レコード店に置いてあったら、レフトフィールドとか、辺境のダンス・ミュージックとか言われていそうな音楽です。

2020年5月1日

夜の静寂に寄り添う音楽 ~Oasis@Home mix1 2020.4.26 By Calm~


家で過ごすときに聴く音楽。日本人クリエイターのカームがそんなDJミックスをミックスクラウドにアップしていました。ゆったりとしたテンポのクラシカルな雰囲気の曲が中心で、夜によく合いそうな内容に仕上がっています。

カテゴライズするのであれば、ニュー・エイジ、あるいはポスト・クラシカルといったあたりでしょうか。やさしく響く歌声とやさしく響く楽器の音からなる子守歌のような音楽。この音楽と共におだやかに過ごせたらと思います。

2020年4月30日

夜空を気持ちよさそうに舞う音の粒 ~Pure Water (Inspired by 'the Outlaw Ocean' a Book by Ian Urbina) By Teen Daze & Ian Urbina~ (2020 Release)


アンビエントとエレクトロニカ、ポスト・クラシカルのちょうど真ん中を浮遊する、あまりに心地よい音に心も浮遊します。カナダのクリエイターであるティーン・デイズによる作品。……なのですが、ティーン・デイズの横に並ぶイアン・ウービナなる人物が何者なのかは分からず……。

まあ、それは置いておいて、ゆったりとしたテンポを刻むドラムの上をピアノやギター、そして電子音が気持ちよさそうに漂う音楽の気持ちよさに浸りましょう。夜、寝る前に聴けば、いい夢を見れそうです。

2020年3月4日

この美しいアンビエントで心を浄化しよう ~One Hour Mix for LKS By Norihito Suda~


清流と呼ばれる川に流れる水のような美しいアンビエントを約60分にわたって展開する、日本人クリエイター、ノリヒト・スダによる作品。収録曲は1曲のみ。曲の展開が何度か変わるので、組曲と言える作りになっています。

スダのこれまでの作品と同様に心を洗ってくれるような音楽です。汚れのないきれいな音にゆっくりと身を委ねましょう。

2020年3月1日

メロウなバレアリック、ダウンテンポ、そしてエレクトロニカをたっぷりと ~By Your Side (Mellow Mellow Acid Versions & Remixes) By Calm~


気持ちよく踊りながら、いや、揺れながら……。そんなふうに聴く作品。日本人クリエイター、カームが2018年にリリースした『バイ・ユア・サイド』に収録した曲のリミックスとカーム自身による新バージョンを収めた、いわゆるリミックス・アルバムです。

バレアリック・ハウス、ダウンテンポ、エレクトロニカといったあたりの音楽が並び、作品全体に幸せなムードが溢れているように感じます。キラキラと輝く幸福な音の粒が放射されているかのよう。心は宙にふわふわと浮き上がり、どこかの楽園へと導かれます。

2020年2月10日

澄み切った空気のようなアンビエント・ミュージック ~A Cloud in a White, Square Room By Norihito Suda~


京都在住のアンビエント・ミュージックのクリエイター、ノリヒト・スダによる作品。ここでもこれまでと変わることなく、おだやかでやさしい雰囲気に満ち溢れたアンビエントを聴かせてくれています。

静かに流れていく電子音の上に、明確なメロディを奏でているような、いないような……、そんなピアノやギターのフレーズがうっすらと乗っていく曲が並んでいます。何も特別なことが起こらない静かな音楽。そしてその何も特別なことが起こらない静かな空間はとても美しい。

2020年1月13日

極上のチルアウト・トラックにおぼれましょう ~Coastlines By Coastlines~


キーボードが、ギターが、ドラムが、ベースが……。すべての音が気持ちよさそうに溶け合っていくような、やさしい抱擁を交わしているような、そんな演奏が展開されています。その演奏から生み出されるのはバレアリックやエレクトロニカを中心にして、ジャズやフュージョンをほんの少し加えた極上のチルアウト・トラック。

コーストラインズはDJ/プロデューサーの池田正典とクロマニヨンのキーボーディストである金子巧の2人からなるユニット。7インチのレコードを何枚かリリースしており、2019年にリリースした本作がフル・アルバムとしては初めての作品です。

コーストライン(Coastline)という単語は海岸線という意味とのこと。このユニットが奏でようとしているのは、海岸線に吹く心地よい風のような音楽なのでしょうか? この作品を聴きながら、ふとそう思いました。心地よいまどろみの中へ、さあ、飛び込みましょう。