暴れるリズムの荒々しさがあり、美しく流れるメロディがあるエレクトロニック・ミュージック。ほっこりとした気持ちに、あるいは切ない気持ちに、聴き終わったときにそんな気持ちになります。1997年リリースの『ルナティック・ハーネス』という作品の続編と見ていいようなので、『ルナティック~』も併せてどうぞ。
2022年9月22日
自由なリズムと幸福なメロディ ~Magic Pony Ride By µ-Ziq~ (2022 Release)
暴れるリズムの荒々しさがあり、美しく流れるメロディがあるエレクトロニック・ミュージック。ほっこりとした気持ちに、あるいは切ない気持ちに、聴き終わったときにそんな気持ちになります。1997年リリースの『ルナティック・ハーネス』という作品の続編と見ていいようなので、『ルナティック~』も併せてどうぞ。
2022年8月21日
テクノとアンビエント、そしてドランベースを重ね合わせて描く美しい音響 ~Concealer By Relaxer~ (2021 Release)
野蛮だけど美しい。この作品を聴いて、デトロイト産のテクノを聴いたときに感じたそんなことを思い出しました。ダークな色彩の美しい音響、そして刺激的なリズムが全体を彩る本作は古のテクノを愛する人も、フットワークあたりを好む人も好きになりそう。
ダニエル・マーティン・マコーミックというアメリカ人クリエイターがコンシーラーなる名義で2021年にリリースした作品。テクノとアンビエントの間を行き来しながら、ドラムンベースを挟み込んだような曲が並びます。夜中に家で一人で聴くといい感じです。
2022年8月13日
甘くロマンティックなジューク/フットワーク ~Signals In My Head By DJ Manny~ (2021 Release)
ジューク/フットワークにカテゴライズされる音楽はもっと猥雑なものかと思っていましたが、DJマニーによるこのジューク/フットワークの作品にはソウルやR&Bのような甘く、ロマンティックなムードがあります。それがこの作品の特徴でしょう。
作者のDJマニーはシカゴ出身のクリエイター。ここではジャングルやドラムンベースに通じる刺激のあるリズムと色気のあるハウスの香り、そして女性ヴォーカルのなまめかしい歌声を重ね合わせています。
2022年5月3日
どんな天気であれ、美しい音を ~Whatever The Weather By Whatever The Weather~ (2022 Release)
イギリスの女性クリエイターであるロレイン・ジェイムズによるホワットエヴァー・ザ・ウェザー(どんな天気であれ、という意味)名義の作品。曲名がすべて温度になっていて、曲名ごとに温度の高低はありますが、どの曲からも冬の冷たく澄んだ空気のような温度を感じます。
ここで中心になっているのはアンビエントとエレクトロニカ。そこにドラムンベースやジャングルを散りばめた音楽を展開しています。リズムに動きがあっても落ち着いた雰囲気は変わらずに、しっとりとした質感の澄み切った美しい音が流れていきます。それはジャケットの世界に流れる空気のような音です。
2022年4月19日
おだやかな空間に流れる電子音楽 ~Cheeky Speaker By Lucky & Easy~ (2021 Release)
ほの暗く、それでいて牧歌的な雰囲気があるのが特徴。エレクトロニカやアンビエントからドラムンベース、はたまたディープ・ハウスやデトロイト・テクノあたりまで……、手を伸ばしたような音楽を展開しています。PubというスコットランドのアーティストのLucky & Easyという名義による作品です。
ゆったりと流れる時間の中で上述した電子音楽たちが折り重なり、目の前に現れては消えていきます。過去の曲を集めたコンピレーションということが関係してか、それぞれの曲が様々な表情を見せてくれます。
2022年3月20日
ワイルドなリズムの中に甘さを加えて ~City Stars By DJ Hank~ (2022 Release)
UKガラージとフットワークを混ぜたワイルドな音楽を中心にしつつ、ソウルやR&Bから引っ張ってきたような色気や潤いを加えています。アメリカ・シカゴ在住のクリエイター、DJ Hank(ハンクと読むのでしょうか?)による作品です。リリースはイギリスのレーベルであるハイパーダブから。
ワイルドさの中に甘さがあるところが特徴。そしてそれは2021年に同じくハイパーダブからリリースされたロレイン・ジェイムズの『リフレクション』にも通じるなと思ったり…。
2022年1月18日
多彩なエレクトロニック・ミュージックが鮮やかに ~Pulse Of Defiance By Yoshinori Hayashi~ (2021 Release)
アンビエント、テクノ、ハウス、ドラムンベース、ジャングル……、などの曲が並んでいます。これはもうざっくりとエレクトロニック・ミュージックというしかなさそうな、日本人クリエイター/DJのヨシノリ・ハヤシの通算2作目となる作品です。
ダンサブルな雰囲気、激しいリズム、そして静かに沈み込んでいく電子音が交錯し、進んでいきます。クラブのフロア向けのダンス・ミュージック、家で聴くための音楽がバランスよく配置され、多彩な表情を見せる電子音がきらめいています。
2021年3月28日
ゴリラズのめくるめくポップ・ミュージックの世界 ~Song Machine: Season One - Strange Timez By Gorillaz~ (2020 Release)
やっぱり、すごい人です。デーモン・アルバーン。1991年にブラーのヴォーカルとして初めてのアルバムをリリースして、2020年にはゴリラズの首謀者としてこんなにいい曲がそろったアルバムをリリースしてしまうのですから。1曲ごとに違う表情を見せる曲たちにわくわくさせられっぱなしです。
ゴリラズのこの6作目のアルバムは「ソング・マシーン」というプロジェクトの中で1曲ずつ制作した曲を集めたという作品。シングルの寄せ集めという感じでしょうか。全曲シングルとしてリリースしていいほど、クオリティの高い曲が並んでいます。
エレクトロ・ポップ、ヒップホップ、ソウル、ファンク、ダブ……、などが整理されずに雑然と並んでいるような印象を受ける、まとまりのないところが最高に魅力的な華やかな作品。ゴリラズ、そしてデーモン・アルバーン。この人たちの作品は一生追いかけますよ……。
2021年3月17日
極上のダウンテンポが誘う夢の世界 ~1995 By Kruder & Dorfmeister~ (2020 Release)
『1995』は結成27年にして初めてリリースするアルバムとのことです。アルバムのリリースはなかったんですね……。そんなこの作品で聴くことができるのは甘くメロウでゆったりとした、高級感のあるダウンテンポ。ラウンジ・ミュージックっぽいところも少しあります。
ひとつひとつの音がじっくりと丁寧に抽出されているかのように鳴り、夜の暗闇の中にじんわりと忍び込んでいくかのよう。その重心の低いダークな音は聴き手に心地よい時間を与えてくれます。この作品と共に夢の中へ……。
2020年5月25日
目に浮かぶのは真っ暗なクラブのフロア ~Eglo Records, Vol. 2 By Various Artists~ (2019 Release)
余分なものが一切ない、引きしまったリズムが印象に残る、ストイックな曲ばかり。装飾のない真っ暗なクラブのフロアでドスドスと鳴らすための音楽であるかのようです。なかでも19曲目、27曲目のDestiny71zなるクリエイターの曲のクールなたたずまいにヤラれます。
2020年5月14日
硬質なピアノの音が静かに響くドラムン・ベース ~Unfinished Theory EP By Redeyes~ (2019 Release)
作者はフランスのレッドアイズと名乗るクリエイター。デビューは2006年とのことなので、キャリアはわりと長いようです。本作は全6曲のEP作品でありながら、1曲目にイントロとなるような静かな曲を置いていて、そういう作りにしているところも好きです。
2019年11月2日
ヒップホップからアンビエントへと至る音 ~See You Soon By submerse~
甘い清涼感、しっとりとした心地よさ、そして夜に合いそうな色気のある音に心をつかまれました。これを部屋で鳴らしておけば、おしゃれな空気が部屋中にフワーッと広がります。イギリス出身で東京在住のビートメイカーであるサブマースの作品です。
静かに沈み込んでいくダウンテンポときらびやかなエレクトロニカ、アーバンな雰囲気のソウルやR&B、アンビエントっぽい音を少々……。これまでと同様にこれらの音楽をヒップホップに絡みつけた音楽を展開しています。
ヒップホップからアンビエントへアプローチしたらこういう音になる? と考えつつ、この音楽の心地よさにおぼれましょう。
2017年4月10日
美しく、激しく、音がきらめくベース・ミュージック ~Man Vs. Sofa By Sherwood & Pinch~
磨き込まれ、研ぎ澄まされた必要最小限の音。ずっしりとしたドラムと肌を切り裂く冷たい風を思わせる電子音、輪郭がはっきりとした硬質なピアノ。それらの音が交互に交錯し、それぞれの楽曲を構築しています。必要最小限の音で成り立っているからこそ、ひとつひとつの音の美しさ、激しさが際立っています。
そんなこの作品はイギリスのダブ/レゲエのシーンを切り開いたエイドリアン・シャーウッドとダブステップのシーンを切り開いたピンチのコンビによるもの。両者に共通するのはダブ。ここにもダブはもちろんあるのだけど、音楽を構築するひとつのエッセンスでしかない印象を受けます。
ダブというのも、ダブステップというのも、どちらも枠が小さい。ベース・ミュージックというか、ゴツいエレクトロニカというか、そういう音楽を展開しています。チリひとつ落ちていない汚れのない空間に音がこだまする、美しい電子音楽です。
そして冷え冷えとした空気が漂う中、後半にさしかかるあたりに配置された「戦場のメリークリスマス」のカバーがあたたかい陽だまりのような場所として、聴き手に安息をもたらしています。この構成が……、またいいんです。
2016年12月22日
重く沈み込む低音域の上に冷たい雨が降る…… ~YOUNG DEATH / NIGHTMARKET By Burial~
ダブステップを生んだ男と言われているイギリス出身のクリエイターであるブリアルのEP作品。やっぱりこの人はタダモノではなかったのですね。ダブステップが過去のものになった感があるいまでも、これは未知の音楽のように聴こえるのだから、ブリアルが作っていたのはダブステップだったのかと、そんなことを思いました。
ここで展開しているのはソウル/R&Bとダブステップ、ベース・ミュージック、アンビエントを同じ鍋の中に入れて、時間をかけて念入りに混ぜ合わせような音楽。デビューしてから10年以上が経過しても、才能が枯渇する様子はまったくなし。己の音楽を極め続ける求道者……といったような緊張感すら漂わせています。
重たく沈み込む低音域の上に、人の悲しみを吸い込んだ冷たい雨のような電子音が降り注ぐ……、そのさまが目に見えるかのよう。悲しくて、美しい。孤高の存在というのはこういう人のことを言うのでしょう。
2016年10月22日
今夜はロマンティックなベース・ミュージックに酔いましょう ~Fluctus Dome ~ Stellar Winds By 8reg~
たまらなくセクシーな、そしてロマンティックなベース・ミュージック! 地面をえぐるような太いベースが終始鳴っているのにも関わらず、美しい夜景のようにキラキラと輝くベース・ミュージックに仕上げています。
そんなこの作品は8regなる日本人ビートメイカーによるもの。ディスコ・ファンクやディスコ・ブギー、ヒップホップなどのブラック・ミュージックから、エレクトロニカや音響系までを取り込んだベース・ミュージック……、もしくはビート・ミュージックといった感じの音楽を展開しています。
ベース・ミュージックらしいイカツさやワイルドさよりも、聴き手をうっとりとさせると言ってもいいほどのロマンティックな雰囲気……。これが前に出てきているのがこの作品の特徴です。弾力のあるビートが気持ちよくズムッと鳴りながら、夜露に濡れたかのような、しっとりとした質感のウワモノの音が心地よく鳴っています。
また、ところどころに挿し込まれた、ダンサブルな感覚をほんのりと漂わせるフュージョン風のギターやベース、リリカルな雰囲気のピアノの響きも実にステキ! これらの音がいいアクセントになっています。
古めかしいソウルやファンクのテイストが根底にあるように感じさせながらも、音にはそれほどの黒さはない……。そう思うと、ブルーアイド・ソウルならぬブルーアイド・ベース・ミュージック……と言えなくもないかな?と思いました。
2016年2月27日
ヒップホップとダブの間を行くビート・ミュージック ~NICKELMAN/CLANTAPES By NICKELMAN~
新たな才能……と言っていいものかどうなのか。オマエが知らなかっただけで、すでに知られているよってなものなのか……。NICKELMANと名乗る大阪のビートメイカーの作品が実にいい! わたしがこのビートメイカーの存在を知ったのはつい最近のことなので、新たな才能を発見した!と書いておきます。
今回取り上げるのは『NICKELMAN/CLANTAPES』という作品。基本的なスタイルはインストゥルメンタルのヒップホップと言っていいと思いますが、そう言い切れないほどダブのテイストが強く出ています。
それは「~ DUB」というタイトルの曲が何曲かあることからも分かる通りといったところですね。ダーティで、そしてダスティなダブの質感をまとった、ズブズブと沈み込んでいく太い音がセクシー! モッサリとしたドラムの音もステキ!
この作品にあるのはワイザツでいて、それでいてチルアウトの感覚もある、ヒップホップとダブの間で鳴っているような音楽。低音域でうごめくドラムの上をピアノとホーンが妖しく揺らめく9曲目「YEAH」は、このことをもっとも強く表している曲だと思います。この曲のガチャガチャした低音域の感じがとても好きです。
ヒップホップのビートメイカーがダブを作っているのか、ダブのクリエイターがヒップホップを作っているのか、それはこれからリリースされる作品を聴いて判断することにします。
2015年6月13日
今年の夏の夜はサブマースを聴こう ~Slumber Session: Submerse~
最近、新作『ステイ・ホーム』(この作品についてはまたこのブログで書きます)をリリースしたばかりのイギリス出身のビートメイカーである、サブマースのセッション音源(ライヴ音源?)がアップされていました。これがめちゃくちゃ心地よい!というわけで紹介します。
ビート・ミュージックやベース・ミュージックからヒップホップ、ダウンテンポやエレクトロニカ、フューチャー・ソウル……、などのおいしいところを少しずつ抽出してブレンドしたような、そんな音楽を展開しています。
太くて厚みのある低音域の上にキラキラと輝く音の粒がゆっくりと舞い落ちていくさまが美しく、そして心地よい! この音楽はどんな聴き手の心でも、ちがう世界に連れて行ってくれるはず。最高のチルアウト感、トリップ感を漂わせています。
良質のダウンテンポやエレクトロニカにある、心地よさや気持ちよさがあり、ヒップホップのストリート感やワルさみたいなものもある。それからフューチャー・ソウルのおしゃれ感や甘さも忍び込ませる、このバランスがばっちり決まっています。
今週末はこの心地よい音楽にどっぷりと浸かりましょう。夏の夜に吹く涼しい風を思わせるさわやかさもあって、今の時期に聴くのにもちょうどいい。今週末……だけではなくて、今年の夏の夜のBGMになる音源です。
2015年6月4日
キラキラと輝きながら宙を舞う電子音が心地よい、エスクモのライヴ映像 ~Eskmo: NPR Music Tiny Desk Concert~
どっしりとしたビートがリズムを刻むベース・ミュージックというか、はたまたダウンテンポというか……、何だか不思議な雰囲気の電子音楽を制作しているクリエイターであるエスクモのライヴ映像がアップされていました。
アメリカのラジオ局であるNPRの音楽番組、NPRミュージックのタイニー・デスク・コンサートに出演したときの映像です。エスクモが……、というよりも、この手のエレクトロニック・ミュージック系のクリエイターがこのライヴに出演しているのは意外な感じがします。
そしてこのライヴ。アンビエントのテイストがやや強い、ダウンテンポ/エレクトロニカといった風の気持ちいい音楽を聴かせています。キラキラと輝きながらビートの上に舞い落ちていく電子音がたまらなく心地よい! ほっこり感のある、おだやかなシガー・ロス? そんな印象を受けました。
ペットボトルをつぶしたり、コップをドラムのスティックで叩いたり、2つの木材をぶつけたりして出した音を音楽の中に取り込んでいます。楽器ではない、自分の身の回りにあるものを使って音楽を作る、そのアイディアがおもしろいし、楽しい!
※エスクモのミュージック・ヴィデオ
2015年1月11日
ベース・ミュージックを通過した、おしゃれでワイルドなヒップホップのDJミックス ~Future of yesterday by Chief (Podcast for RetroFuture)~
スイスのビートメイカー/DJであるチーフ(Chief)がかっこいいDJミックスをアップしていたので紹介します。無料でダウンロードできます。レトロ・フューチャーというフランスのラジオ番組に提供したDJミックスのようです。
ジャジーなヒップホップやソウルフルなヒップホップから、ベース・ミュージックを使っています。ベース・ミュージックを通過した、2000年以降のヒップホップが軸と言っていいですかね。ベース・ミュージックゆずりの太いビートが最初から最後まで続いていきます。
変わったことやヒネくれていることをしているわけではない、オーソドックスな作りのDJミックスです。であるがゆえに、曲と曲の繋ぎ方がスムーズなので、安心して聴けるし、気持ちよく聴けます。ラジオ向けの作りということなのかな?
おしゃれさがありつつ、ヒップホップらしいワイルドなところやヘヴィなところを挟み込んでいるのもいいです。
2014年6月6日
マウント・キンビーとジョンウェインの共演 ~Mount Kimbie - You Took Your Time feat Jonwayne Live At BBC Maida Vale~
こりゃ、かっこいい! マウント・キンビーが繰り出すクールなサウンドとジョンウェインのドスの効いた声のコントラストがいい感じです。マウント・キンビーはポスト・ダブステップにカテゴライズされるイギリスのデュオ。ジョンウェインはロサンゼルスのヒップホップ・レーベル、ストーンズ・スロウから作品をリリースしているMC/ビートメイカーです。
マウント・キンビーの2作目『コールド・スプリング・フォルト・レス・ユース』に収録されている、「ユー・トゥック・ユア・タイム」はキング・クルーがヴォーカルとして参加していた曲です。
『コールド・スプリング~』には歌モノが多く収録されていましたが、この手のヒップホップ寄りの曲はありませんでした。次の作品ではヒップホップ系のMCをフィーチャーするのでしょうか?
※キング・クルーが参加した「ユー・トゥック・ユア・タイム」のオリジナル
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