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2023年1月7日

甘く、おだやかな夜をあなたに ~SKIN MUSIC By MOTIVE as deadbundy~ (2021 Release)


おだやかな夜を約束してくれるかのよう。あなたの部屋に、だれかのベッドルームに、どこかのラウンジに、気持ちのいい夜の風を届けてくれます。それと同時に最高のチルアウトの時間も……。日本人クリエイター、DJモーティヴが2021年にリリースした作品です。

ジャズを軸にしてネオ・ソウルやヒップホップ、エレクトロニカを絡み合わせたような曲が中心。しっとりとした質感のリズムにジャジーなサックスやピアノが重なった、まろやかな音楽を聴かせています。インストゥルメンタルとヴォーカルの入った曲が溶け合いながら展開していきます。





2022年11月19日

静かな夜に寄り添うように ~Violet By Robohands~ (2022 Release)


聴いていると、しっとりとした質感の音がたゆたいながら静かに着地していく様を見ているような気持ちになります。夜の静寂に寄り添う、夜の闇に溶け込む心地よい音楽です。淡々と……、心地よい音が淡々と続いていきます。

イギリスのマルチインストゥルメンタリスト、ロボハンズの作品で、これが通算4作目。ここで基調としているのはジャズ、ダウンテンポ、アンビエント、ポスト・ロックあたりでしょうか。静かな夜に、ぜひどうぞ。

2022年11月12日

都会にたたずむギター・ロック ~Nonadaptation By SE SO NEON~ (2020 Release)


インディ・ロック、ギター・ロックという枠に入る作品だと思いますが、その手の音楽に象徴される熱というよりも、都会的な洗練された雰囲気を感じさせるのが特徴。そしてそんなところに心惹かれます。こういう音楽のスタイルも2020年に入って変わったのだなぁと思いながら、いい気持ちで聴きました。

シティ・ポップとギター・ロックを混ぜ合わせ、少しシューゲイザーの香りも漂わせる音楽を展開する、2016年に韓国・ソウルで結成された3人組、セソニョンのEP作品。おしゃれなムードをまとい、歪んだギターが疾走し、ヴォーカルの声が気持ちよさそうに伸びていく……。いやあ、いいじゃないですか!

2022年11月6日

あたたなか日差しのもとでまどろみながら ~Loris S. Sarid By Seabed​-​Sunbath~ (2022 Release)


あたたかな日差しが降り注ぐ田園へようこそ、という言葉が似合いそうな心地よい音楽です。スタイルとしてはニューエイジ、もしくはアンビエントといったところでしょうか。作者はロリス・S・サリッドというスコットランド・グラスゴーで活動するクリエイター。

ピアノ、カリンバ、ホーン、ストリングスなど様々な音が明確なメロディを描くようでもあり、しかしただ鳴っているだけでもあるようにしながら、おだやかな雰囲気を作っています。ポコポコとなるリズムの音もかわいらしい。そんなふうにして心地よいまどろみを届けてくれます。

2022年10月25日

美しい情景を描くミニマル・ハウス ~Sam Prekop and John McEntire By Sons Of~ (2022 Release)


ポスト・ロックの大物2人――ザ・シー・アンド・ケイクのサム・プレコップとトータスのジョン・マッケンタイア――の共作である本作は何とも美しいミニマル・ハウス! この2人による作品ということが分からなければ、エレクトロニック・ミュージックのクリエイターの作品と思うかもしれません。

ゆったりとして、牧歌的でもあり、ダンサブルなところはほとんどなし。そういう意味ではミニマル・ミュージックと呼ぶべきでしょうか。きらめくような電子音と転がるようなリズムが美しい情景を描いていきます。仕事や作業をするときのBMGに合いそうな気がします。

2022年10月17日

1973年のボブ・マーリー ~Capitol Session '73 By Bob Marley & The Wailers~ (2021 Release)


いまさらボブ・マーリーかよと言われそうですが、ボブ・マーリーです。タイトル通り、1973年にハリウッドのキャピトル・レコード・タワーで行ったセッションの模様を録音したライヴ・アルバム。

ごつごつとした質感の装飾のない無骨な演奏、そして包み込むようなあたたかみと鋭い切れ味が混ざり合ったようなマーリーの歌声がクール! ザラついたキーボードの音が滑り込むようにして鳴ってスタートする5曲目「バーニン・アンド・ルーティン」の緊張感にシビれます。



2022年10月13日

南国の夜のおだやかな風に吹かれて ~Here Alone By Matthieu Beck~ (2022 Release)


ほがらかな雰囲気のユルいダブ、もしくはポップなバレアリック? 聴いていると、ほんのりとあたたく、湿り気のある南国の夜の風に吹かれている感覚を覚えます。気持ちはおだやかになり、心地よくトリップして、何かをすることがおっくうになってしまいそうです。

作者はマシュー・ベックというイギリスのクリエイター。落ち着いたリズムのドラムの上でキーボードやフェンダーローズ、フルートなどの楽器の音が気持ちよさそうに踊っています。リラックスのひとときにぜひどうぞ。

2022年10月1日

ハルカ・ナカムラが描く、ヌジャベスが残した美しい旋律の続き ~Nujabes PRAY Reflections By haruka nakamura~ (2021 Release)


ハルカ・ナカムラが奏でるピアノの旋律が美しく浮かび上がり、そしてその余韻を残したまま、切なさも一緒に残して消えていく……。ヌジャベスが残した美しい旋律が見え隠れしながら、ナカムラらしさもしっかりと刻み付けられています。

一言で言えばヌジャベスの曲をカバーしたカバー・アルバム。特定のジャンルにカテゴライズするのであればポスト・クラシカル、もしくはニューエイジでしょうか。しかしそれだけで終わるのはあまりに雑すぎる、丁寧に、丹念に作りこまれた作品です。



2022年9月14日

装い新たに、しかし歌声の魅力は変わらずに ~Are U Romantic? By UA~ (2022 Release)


シティ・ポップであったり、ヒップホップであったりを絡ませて、ポップになったと言えばたしかにそうですが、それだけでは済ますことのできない魅力を感じます。音楽がどう変わろうとこの歌声の魅力は変わらない、ということを改めて思わせるUAのEP作品です。

前作の『ヤポ』や前々作の『アッタ』などのアルバムと比較すると、だいぶポップな方向に振り切っています。しかしUAの歌声は軽やかに演奏に乗り、作る音楽がどう変化しようとこの歌声の魅力が損なわれることはないこと、この歌声は唯一無二であることを浮かび上がらせていきます。



2022年7月25日

あまりにクールなたたずまいのハウス・トラック ~Just Can't Get Enough By Channel Tres~ (2022 Release)


ソウルを注入したハウス風のトラックは1990年代のハウスを思わせます。そんなトラックの上にささやくようなヴォーカルが乗る、アメリカのクリエイターであるチャンネル・トレスの曲。ストイックな雰囲気を漂わせる引き締まった低音域の音とヴォーカルが混ざり合う様がクール!



2022年7月23日

極上の歌と演奏 ~Hikaru Utada Live Sessions from Air Studio By 宇多田ヒカル~ (2022 Release)


最高のポップスとはこういう音楽のことを言うのでしょう。ただただ、いい歌といい演奏。それらを堪能できます。宇多田ヒカルがロンドンのエアー・スタジオで行ったライヴの模様を収録した作品です。ネットフリックスで映像を観ることができます。

音に集中して、演奏に集中して、しかしリラックスして楽しむ、そんな雰囲気が伝わってきます。ポップスの楽しさの中にライヴならではの緊張感もうっすらと混ざって、いい雰囲気です。

2022年7月4日

ソウル、ヒップホップ、ジャズ……、黒人音楽を自由に絡み合わせながら ~Remember Your North Star By Yaya Bey~ (2022 Release)


ネオ・ソウルとヒップホップを軽やかに、ゆるやかに行き来する歌声がまずは素晴らしい! そしてジャズやレゲエも絡ませ、気持ちのおもむくままに音楽を混ぜ合わせていく雰囲気が伝わってくる、そんなところもいい! アメリカの女性シンガーソングライター、ヤヤ・ベイのデビュー作です。

全18曲で構成されていて、曲数は多めですが、トータルタイムは約34分でわりとコンパクト。軽やかに、ゆるやかにヤヤ・ベイの歌声を楽しめます。

2022年6月28日

ギター・ロックへの愛を胸いっぱいに吸い込んで ~The Last Thing Left By Say Sue Me~ (2022 Release)


2022年のフジロックに出演!ということでチェックした韓国出身の4人組であるセイ・スー・ミー。これがとてもいい! どうしたって、ペイヴメントやビルト・トゥ・スピルなどの1990年代のオルタナティヴ・ロックを思わせるギター・ロック・サウンドが実に清々しい!

本作が3作目ということでこなれてきているのかどうか分かりませんが、こなれることなく、どうかこのままで……、と願いたくなるほどに迷いのないまっすぐな音を鳴らしているように感じます。ギター・ロックあるいはギター・ポップのいいところがびっしりとつまった作品です。



2022年6月26日

隅々に散りばめられた澄み切った美しい音に心を洗われて ~Ambient Selections By John Beltran~ (2011 Release)


デトロイト・テクノの巨匠、もしくはレジェンド? そう言っていいクリエイターであるジョン・ベルトランのアンビエント寄りの曲を集めた作品。

電子音がフワフワ~と流れていくチルアウト風のアンビエントというより、テクノの曲のリズムを取っ払ったような曲が並んでいます。ひとつひとつの音が瑞々しく、そして美しく、心が洗われる感覚を覚えます。どんなときもその美しさのトリコにさせてくれる、そんな作品です。

2022年4月13日

淡々と流れる毎日のようなギター・ロック ~Things Take Time,Take Time By Courtney Barnett~ (2021 Release)


ドラマティックな展開もなく、すべての曲が淡々と流れていきます。これは市井の人々の日常を描いたのか、はたまた、コートニー・バーネット自身の日常を描いたのか……、なんてことを思わせます。日常を描いた感覚があるからこそ毎日のサウンドトラックになる、そんな作品であるように思います。

バーネットはオーストラリア出身のシンガーソングライター。これが通算3作目のアルバムです。ここでもこれまでと変わることなくシンプルなギター・ロックを展開しています(最後の曲はピアノでした)。日々の暮らしにフィットするギター・ロックをあなたの身近に……、ぜひどうぞ。

2022年4月9日

激しさと穏やかさの間を揺れながら ~Letting Up Despite Great Faults By Letting Up Despite Great Faults~ (2009 Release)


2009年にこんなに素晴らしい作品がリリースされていたなんて知りませんでしたよ……。2022年に初めてこれを聴いて、シューゲイザーゆずりの歪んだギターの音とドリーム・ポップに繋がるおだやかな電子音、そして甘いメロディが重なり合ったギター・ロックに心をつかまれました。

この作品を作ったのはレッティング・アップ・ディスパイト・グレイト・フォールツなるロサンゼルス出身の4人組。彼らはこの作品において、激しさと穏やかさの間を揺れながら、ここではない夢で見るような世界へ連れて行ってくれます。

2022年2月24日

毎日の暮らしに潤いを、毎日の暮らしにこのビートを ~Blur blue By GeminisAzul~ (2021 Release)


日常のBGM、あるいは日本の住宅街に溶け込む音楽……? 日々の暮らしに潤いを与えるユーモアがあって、キュートで、そしてチルアウト感をたっぷりと含んだインストゥルメンタル・ヒップホップ。そんな音楽を展開する、日本人ビートメイカーのジェミニスアズールによる作品です。

ヨレたり、つんのめったりするリズムの上にジャズやブルースを絡めたようなギターや、コロコロと転がるかわいらしいピアノが乗る曲が並んでいます。切ない雰囲気を漂わせながら終わっていく最後の流れがとてもいい! 毎日の暮らしにホッと一息つく時間を与えてくれる作品です。

2022年2月19日

安息の地へと導くおだやかなビート ~Resurrection By Linn Mori~ (2021 release)


日本人ビートメイカーのリン・モリが2020年にリリースした『デジタル・チャーチ』のリミックス版。この人らしいおだやかさと心地よさがあるのはもちろんこと、平和への祈り……、とでも言えそうな崇高な思いが込められているような趣さえ感じます。

インストゥルメンタル・ヒップホップにカテゴライズされると思いますが、エレクトロニカやダウンテンポ、さらにはニュー・エイジといったあたりにまで広がる音楽を展開しています。この作品の前章にあたる『デジタル・チャーチ』、『メタモーフォシス』といった過去の作品も併せて聴きましょう。

2021年12月28日

酔わされ、そして癒されて ~西内徹&Yamande By 西内徹&Yamande~ (2021 Release)


優雅にゆったりと揺れるサックスのキリッと甘いメロディに酔わされ、癒されましょう。おだやかな時間を届けるレゲエ/スカ(ヴォーカルが入った1曲以外はインストゥルメンタル)がびっしりと詰まった作品です。

作者はサックス/フルート奏者の西内徹。大人びた落ち着いた雰囲気の中に子供のようなかわいらしさもあり、そして洒脱なところもあり、実にいい空気が流れています。毎日のリラックスタイムにぜひどうぞ。

2021年12月18日

甘い歌声に酔わされて ~Feel Like Makin' Love / Sing A Simple Song By CAT BOYS feat. Yuima Enya~ (2020 Release)


何はともあれ、ロバータ・フラックの「フィール・ライク・メイキン・ラヴ」を日本語でカバーした1曲目に酔いましょう。まどろむような歌声、そして揺れるピアノの音が心地よい空気を運んできます。ソウルにカテゴライズされる曲でありながら、とろけるような甘さは極上のラヴァーズ・ロックのよう。

本作はファンク・バンドのキャット・ボーイズがユイマ・エンヤをヴォーカルに迎えて制作したもの。スライ&ザ・ファミリーストーンの「シング・ア・シンプル・ソング」の日本語カバーも収録しており、こちらは粘っこいファンクに仕上げています。