2015年2月28日
これこそオルタナティブの中のオルタナティブに属するヒップホップ ~55555 By lee (asano+ryuhei)~
lee (asano+ryuhei)という名前で作品をリリースしている日本人ビートメイカー(と言っていいのかな?)が気になるので紹介します。曲を作るだけではなく、イラストや映像なども作っているようです。
今日取り上げる『55555』が現在の最新作だと思います。ここではそりゃもうおかしな、ヘンテコなヒップホップを聴かせています。オルタナティブの中のオルタナティブといった感じのヒップホップです。異質なものに突然出くわした感覚が、聴き進めていくごとに強くなっていきます。
ピアノやギターによるウワモノはジャズっぽいリリカルなフレーズを鳴らしているのにも関わらず、脱臼した、屈折したリズムがその下で鳴っています。ウワモノはリリカル、あるいはメロウなのに、それを支えるリズムは脱臼している……。
この作りが曲をどうにもアンバランスなヒネくれたものにしていて、おいおい、何なんだ、こりゃあ、という気持ちにさせます。このことがもっとも分かりやすいのは5曲目の「05. 05up」です。
「05. 05up」はヌジャベスの曲にありそうなジャジーなピアノからスタートし、途中から変則的なリズムのドラムが入ってきて、後半では飛び道具のようなヴォイス・サンプルや電子音が空気をつんざくように突っ込まれる……という作り。うーん、ヒネくれてる……。
フツウの作りのヒップホップはもうあきたよ、という方は聴いてみてください。そういう人をニヤリとさせそうな作品です。映像もかっこいいのでチェックを!
2015年2月27日
aso.による、チルアウト寄りのインストゥルメンタル・ヒップホップがいい感じです ~nite loopz. By aso.~
チルアウトのテイストを含んだ、メロウなインストのヒップホップが好きな人は多いのではないでしょうか? 今日紹介する『nite loopz.』はそんな人たちにおすすめしたい作品です。高いところから都会の夜景を見ている気持ちにさせるような、おしゃれな雰囲気もあります。
作者はロサンゼルスのaso.と名乗るギタリストであり、ピアニストであり、ビートメイカーでもあるというマルチ・インストゥルメンタリスト。これ以外にも、チルアウト寄りのインストのヒップホップの作品を作っています。
タイトルの通り、夜に聴きたくなる作品です。夜、部屋に流しておけば、いい感じにしてくれます。部屋でボーッとしながら聴きましょう。
スカスカのビートの上に、ピアノやギターによるソウルやジャズ風のフレーズが乗っていく、どの曲もそういう作りです。1分台の曲が中心で、シンプルにまとまっているので聴きやすい。ウワモノのメロウなフレーズや、ヴォイス・サンプルを入れた曲がヒップホップらしさを残しているところなんかがいいですね。
サウンドクラウドにはJ・ディラ・トリビュート、ヌジャベス・トリビュートといった曲がアップされていて、これもまたいい! ぜひチェックしてみてください。
2015年2月26日
Pawcutが聴かせるメランコリックなビート・ミュージック ~Smoke Break EP By Pawcut~
ドイツのヒップホップ・レーベルであるレディオ・ジューシーから、またいい作品がリリースされているので紹介します。Pawcut(何と読むのでしょう?)なるビートメイカーの『Smoke Break EP』です。
これ、Pawcutの最新作ではありません。最近リリースされた『Maverick』という作品が最新作です。なので、紹介するのが遅くなった感があります……。まあ、それはいいでしょう!
『Smoke Break EP』ではレディオ・ジューシーらしいと言っていい、ヒップホップとダウンテンポを混ぜ合わせた音楽を展開しています。そしてメランコリックな雰囲気を色濃く漂わせているところが大きな特徴です。
メランコリックな雰囲気を色濃くしているのは、ところどころで聴こえてくるジャズっぽいピアノのフレーズ。このピアノのフレーズがいい! ドラムがそれとは真逆のそっけないと思うほどシンプルなので、ピアノのフレーズがよりくっきりと浮かび上がっているように思います。
この路線の曲をもっと聴いてみたいと思ったのは6曲目「Dictator Limp」です。転がるようなピアノのフレーズと、脱力したというか……、すっとぼけたというか……、そんなサックスのフレーズの絡み合い、心地よいヴァイブスを生んでいます。
2015年2月25日
そよ風のようなピアノの音が気持ちいいポスト・クラシカル ~Resolve By Keith Kenniff~
昨日は体調が悪かったため、ブログの更新をしませんでした。今日はそんな体調不良の体を癒してくれる曲を紹介します。アメリカ人クリエイターのキース・ケニフがサウンドクラウドにアップしていた曲です。
そよ風のようなピアノのメロディが気持ちいい、ポスト・クラシカル風の曲。いつもいい曲をアップしていて、今回も変わることなくいい! 癒されてください。
2015年2月23日
空想上の島で行われるパーティで流れていそうなトライバル・ハウス ~Finest Ego | Monthly Mix #048 - February 2015 "The Globetrotting Vibe" By Clap! Clap!~
これまたヘンテコなおもしろいDJミックス。クラップ!クラップ!というイタリア人クリエイターが、音楽メディアであるFinest EgoのDJミックス・シリーズに提供したものです。無料でダウンロードできます。クラップ!クラップ!は最近アルバムをリリースしたらしく、こちらのページに詳しく書かれています。
エレクトロ・ハウスっぽい曲からスタートして、途中でサンバやボサノヴァ、ラテンなどの南国フレイヴァーを絡めます。そして最後はアフリカの民族音楽を思わせるトライバルなリズムのハウスに流れていく……。そんな感じのDJミックスです。
クラップ!クラップ!のアルバム『Tayi Bebba』は“空想上の島の音楽”というコンセプトで制作されたようです。このDJミックスは“その島で行われるパーティの音楽”といったところか? 祝祭感のあるヒネくれたトライバル・ハウスを聴かせています。
Tracklist:
01. September – Ostavi Trag
02. Studio 22 – Dune
03. Jimmy Edgar – Urban Outtake
04. B.Lewis – Without my Gun
05. Zo (Aka La Chauve-Souris) – Breaked Luv
06. Sophie – Hard
07. Nobesuthu and Gcaba Twins – Utshodo Lumantwengu
08. Braille Funk – Gabriel Omar Batucada
09. Marcos Valle – Tiu-ba-La-Quieba
10. Pedro Santos – Água viva
11. Antibalas – Beaten Metal
12. N/oakwe – Music from Central Kalahari (cassette, recorded March 1987, produced 1993) – b1. A young man fra Xade plays the Stenkana, a thumb piano
13. Daniel Haaksman feat. Seguindo Sonhos – Hands up
14. Anchorsong – Mawa
15. KonKoma – Handkerchief (Auntie Flo Remix)
16. DJ Khalab – Cumbia Sbagliata
17. Boy Nze – Uzobuya
18. The Rift Valley Brothers – Mu Africa
2015年2月22日
このビートが行き着く先は深い森の中か? ~Hologram EP By Floating Forest~
サウンドクラウドにアップされている音源を聴いていたら、かっこいいビートメイカーを見つけました。フローティング・フォレストなるアメリカ・シアトルのビートメイカーです。この人物の『ホログラムEP』という作品がいい! ということで、紹介します。無料でダウンロードできます。
プレフューズ73のファースト・アルバムからいまのところの最新アルバム『ジ・オンリー・シー・チャプターズ』までをひっくるめたような音楽を展開しています。
一言で言うと、サイケデリック・ヒップホップといったところでしょうか。深い森の中をさまよっている気持ちにさせる、陶酔感のあるサイケデリックな電子音がユラユラとたゆたい、ビートは奥の方でうごめくように鳴っています。
アコースティック・ギターやピアノなどの楽器の音も入っており、それらの楽器がいいメロディを奏でているので、いいアクセントになっています。どの曲がベストなのかというのは難しい! 5曲で約9分の短い作品なので、全部聴きましょう!
ダウンロードはこちらのページの“DOWNLOAD”をクリックしてください。ダウンロードの前にパスワードの入力があるかもしれません。試聴は下のプレイヤーで。
2015年2月21日
コーヒーのお供になりそうな、休日の午後のソウル・ミュージック ~Stussy x Curtis Mayfield Muro Mix | Holiday '14~
キング・オブ・ディギンことムロが、ソウル・ミュージックの偉人と言われるカーティス・メイフィールドの曲を使ったDJミックスを作っていました。ファッション・ブランドであるステューシーの企画で制作したもののようです。
ムロが作ったんだからいいに決まってるよなあと思いつつ聴いてみたら、やっぱりよかった。ムロが作ったということが頭に入っているから、いいと思ってしまうのか?と思わなくもない……。まあ、それは置いておきましょう。
休日の午後に気持ちよくチルアウトできそうな、落ち着いた仕上がりです。温かみのあるファットな音が心地よく響いています。上げもしなければ下げもしない、熱くもなければ冷たくもない、このさじ加減が絶妙。家で聴くのにちょうどいいテンションが終始保たれているので、いい意味でいいBGMになってくれます。
橋本徹氏による名コンピレーション・アルバム・シリーズ『フリー・ソウル』に通じる雰囲気があるDJミックス。今日は土曜日なので、休日の人が多いのではないでしょうか。休日の午後のBGMにぜひどうぞ。無料でダウンロードできます。
2015年2月20日
週末の夜を彩る、メロウなヒップホップ・ミックス ~Mellow Minded vol. 3 By MellowMaswel~
今日は金曜日、週末です。そんな夜にぴったりのメロウなヒップホップを使ったDJミックスがアップされていました。無料でダウンロードできます。これこそまさに週末の夜のサウンドトラック!
作者はオランダのDJであるMellowMaswelです。2月7日の記事で紹介したDJミックスでも気持ちのいいメロウなヒップホップを聴かせていました。今日紹介するのはそれと同じDJミックス・シリーズの第3弾です。
これまでと同じように、シャレオツなジャズやアーバンな雰囲気のソウル/R&Bを加えたヒップホップが中心。都会のきれいな夜景を音で描いたかのような流麗なウワモノのメロディと、なめらかなビートがまろやかに混ざり合い、その上に落ち着いたラップが乗っていく……。このコンビネーションがばっちり!
今作も約14分という短い尺。これはこれでとてもいい!と思いつつ、もう少し長い尺のものを聴きたいなあと思っております。そう思いませんか?
Tracklist:
1. Boonie Mayfield - On The Flycollab (feat. Stro Elliott)
2. A Tribe Called Quest - 4 Moms (feat. Spanky)
3. Gagle - Sunset For 2
4. Chris McClenney - Us
5. Bahamadia - I Confess (MellowMaswel Remix)
6. AAries - Come Inside (SOS Remix)
7. Soulive - I Don't Know (feat. Amel Larrieux)
8. DJ Ezasscul - Time Passes (Instrumental)
9. Teri Tobin - Love Me
2015年2月19日
J・ディラの関連の音源と映像
J・ディラ関連の音源と映像を紹介します。まずは音源です。ジャズ・ピアニストのロバート・グラスパーが「ディラルード3」なる曲をアップしていました。“3”というのは第3弾という意味です。流麗でシャレオツなピアノを聴かせています。
そしてこちらの映像はコモンとJ・ディラ、そしてジェームス・ポイザーによるセッションの様子を撮影したもの。コモンのアルバム『ライク・ウォーター・フォー・チョコレート』制作時のセッション? 1分15秒あたりでドラムを叩いているのがJ・ディラのようです。
2015年2月18日
ちょっと怪しげな南国の夜? そんな雰囲気を漂わせるヒップホップとダウンテンポの融合 ~Lisa EP By Kuchenmann & Vertiqua~
昨日紹介したJoe Spaceの作品に近いテイストの作品を紹介します。KuchenmannというMCと、Vertiquaというトラックメイカー/プロデューサーからなるユニットのEP作品です。ドイツのヒップホップレーベルであるレディオ・ジューシーからリリースされています。
このユニットが展開するのはダウンテンポとエレクトロニカを混ぜ合わせて、ヒップホップに落とし込んだ音楽。奥の方で静かに、ひっそりと鳴るビートが心地よく響いています。
そしてJoe Spaceの作品に近いと書いたのは、この作品にも南国っぽい雰囲気があるからです。とは言っても、南国のまぶしい太陽!きれいな海!みたいなはっちゃけた雰囲気ではなく、静まり返ったちょっと怪しげな南国の夜……、みたいな雰囲気を漂わせています。
MCのKuchenmannは落ち着いた語り口のポエトリー・リーディングに近いところもあるラップを聴かせます。ゲストMCを加えることにより、彩りをほんの少し増している曲があるのもいいですね。女性MCが参加した6曲目「Kleiner Ozean」ではそのことが分かるかも。
個人的なベスト・トラックはリリカルな雰囲気を漂わせる、ゆったりとしたトラックの上に、Kuchenmannが素早く言葉を乗せていく8曲目「Restart」です。
2015年2月17日
南国のリゾート感を漂わせるヒップホップ ~MANILA BY NIGHT EP By Joe Space~
うーん……、トロトロにトロけそう……。南国の湿った風を浴びているような気持ちにさせる、ユル~いトラックが心地よくて、心地よくて……。トラックは脱力していながら、ラップはビシッと決める。このバランスもいいですね。
ジョー・スペースなるドイツのビートメイカーの作品です。wun twoっぽいなあと思ったら、wun twoも参加していました。粒の粗いユルいビートの上に南国のフレイヴァーを漂わせる、トロピカルな雰囲気の音を乗せた、ダウンテンポとヒップホップを混ぜ合わせたトラックを聴かせています。
タイトルから察するにマニラの夜を描いた作品なのでしょう。個人的には夜というよりも、夕方の方が近いかなと思います。夕暮れ時のマニラのビーチでこれをのんびりと聴いたら……。そりゃ、気持ちいいでしょう。
2015年2月15日
90年代の香りを漂わせる、ソウルフルなヒップホップ作品 ~Ills of the Earth EP (Prod. Phoniks & BluntOne) By Peebs The Prophet, Matte Black Soul By Awon~
最近リリースされたジョーイ・バッドアスやメロ・ミュージック・グループの作品は90年代のヒップホップを思わせる……というようなことを言われています。いま90年代のヒップホップがブームなのでしょうか。
今日紹介する2作品にも90年代のヒップホップの香りが……。PhoniksとBluntOneという2人のプロデューサーからなるPeebs The Prophetの『Ills of the Earth EP』と、MCとして『Ills~』にも参加しているAwonのソロ作品『Matte Black Soul』です。
どちらも、Don't Sleep Recordsというアメリカの(新しい?)レーベルからリリースされた作品。ブームバップに近いところもある、ソウルやジャズを絡めたヒップホップを展開しています。ピート・ロック関連の作品が好きな人は好きかも。
ギラリと光るまで磨きこまれたかのような、厚みのあるふくよかなビートやホーンの音が心地よく、ラップはその上になめらかに乗っていきます。ゆったりとした雰囲気の曲が並んでいて、安心して聴ける作品です。
この先、新しいスタイルのヒップホップが出てきても、この手のヒップホップはいつの時代にも存在していて欲しいものです。ヒップホップが好きな人にとって、90年代のヒップホップは帰る家のようなものなのかもしれません。
2015年2月14日
アルツーのリミックス集がやっぱりかっこいい ~RCTC/2 By Arµ-2~
アルツーなる日本人ビートメイカーは多作の人なので、新作がリリースされる前にこのリミックス集を紹介します。2015年1月末にリリースされた作品で、2015年2月14日の時点ではこれがアルツーの最新作のようです。
TLCやバハマディアなどのソウル/R&B系の曲をリミックスしていて、90年代っぽいアーティストの曲を取り上げています。クリスティーナ・アギレラにしても、ブランディにしても、現在も活動しているのですが、90年代っぽいと思うのはなぜなのでしょうか。もしかしてそう思うのは私だけ……?
そういったアーティストの曲をズムズムと鳴るバウンシーなビートが心地よい、近年のベース・ミュージックを通過したヒップホップ、あるいはR&Bといった感じの曲に作り替えています。過去の曲を現代版にアップデートしたと言えるかな。
そしてアルツーの他の作品にあるイナタさはこのリミックス集にもあります。ブラコン(ブラック・コンテンポラリー)のテイストを取り入れている印象があり、それが曲をイナタいものにしています。イナタいからこそ、耳に新鮮に響きます。
2015年2月13日
冷たい質感の音が心地よい、アンビエントのDJミックス ~isolatedmix 51 By Kiyoko~
今日は奇をてらったところのない、アンビエントのDJミックスを紹介します。奇をてらったところがないがゆえに気持ちよく聴けます。astrangelyisolatedplaceというメディアのDJミックス・シリーズの最新作です。無料でダウンロードできます。
ミックスを担当したのはKiyokoというイギリスのクリエイター/DJ。名前とジャケットを見て、日本人の女性かと思ったら違いました。
内容はほどよく冷たい、暗めのアンビエントです。ピアノやギターの音、そして金属的な音や電子音からヴォイス・サンプルなどを散りばめ、音の色合いを少しずつ変化させながら進んでいきます。
この音の変化のさせ方がうまいです。暗い色合いの音を続けながらも、色合いを微妙に変化させていくので、最後まで飽きることなく気持ちよく聴けます。ところどころに音の質感が異なるビートを入れていて、これもいいアクセントになっています。
ちなみに、このDJミックス・シリーズはいつもかっこいいDJミックスをアップしているので、アンビエントが好きな人は過去のものもチェックしてみてください。こちらのページかこちらのページでどうぞ。
Tracklist:
01. Oh, Yoko – Seashore (Instrumental Ver.2)
02. Kiyoko – Open
03. Xela – Impulsive Behaviour
04. Jon Hopkins – Open Eye Signal (Asleep Version)
05. Kiyoko – Archway
06. Move D – Rote Zone
07. Christ. – Discombobulate
08. Ian Hawgood – A Film By The Remote Viewer
09. Dania Shapes – December Waiting Room
10. Sad City – You Will Soon Find That Life Is Wonderful
11. Synkro – VII
12. Ambulance – Hydro Lines
13. Tangerine Dream – Remote Viewing
14. Bering Strait – 505 S2000
15. Desolate – Imagination
16. Machinedrum – Vizion
17. Vatican Shadow – Whitewashed Compound Stealth Helicopter Crash
18. Kiyoko – Something To Think About
19. Muslimgauze – Old Arab Record Not On Compact Disc
2015年2月12日
初夏に吹く気持ちいい風のような音楽 ~Ian By Keith & Colin Kenniff~
ポスト・クラシカル、あるいはアンビエントといった音楽の作り手であるキース・ケニフが、サウンドクラウドに新しい曲をアップしていました。弟であるコリン・ケニフとの共作のようです。いつも通り、いい曲です。
初夏の天気がいい日に吹く、気持ちのいい風のような音楽……。そんな言葉で表現できそうなポスト・クラシカル風の曲です。アコースティック・ギターの音とピアノの音、そして電子音が気持ちよさそうに絡み合っています。
2015年2月11日
ヤサぐれていて、そしてリリカルなインストゥルメンタル・ヒップホップ ~Fool... By Green Assassin Dollar~
やっぱりいい! かっこいい! 日本人ビートメイカーのGreen Assassin Dollarはいつもいい作品をリリースしていて、今回の『Fool...』もいい! ハズしませんな。
スタイルはいままでの作品とそれほど変わっていません。和のテイストを少し織り込んだ、DJクラッシュを思わせるダークな雰囲気のインストのヒップホップです。粒の粗いビートとボヤけた音のウワモノが混ざり合って、心地よいローファイな音を生んでいます。
曲がいいのはもちろんのこと、曲同士のつながりにも気を配っているような感じがあって、全体の流れがとてもいい。ヤサぐれた雰囲気の5曲目から6曲目、そのヤサぐれた雰囲気の中にリリカルなフレーズを挿し込んだ12曲目から15曲目、ここらへんの流れは特に好きです。
そして聴き手を少しずつ日常から引きはがしていくような、チルアウトのテイストをうっすらと、あくまでもうっすらと忍ばせているところもまたいい。ヤサぐれていてダークな、そんな雰囲気の中にチルアウトのテイストを忍び込ませる……。この絶妙のバランス感……、うまいですね(少しエラそうですね)!
2015年2月9日
2月7日はJ・ディラとヌジャベスの誕生日 ~Tribute to J Dilla & Nujabes~
2015年2月8日
アルツーが聴かせるイナタい?ビート・ミュージック ~step on the sky By Arµ-2~
ちょっと取り上げるのがおそくなった感がありますね、この作品。日本人ビートメイカーのアルツーが昨年12月にリリースした作品です。アルツーはつい最近、リミックス集をリリースしたばかりなので、先にそちらを取り上げるほうがいいのかなあと思いつつ、今日はこちらを取り上げます。
変則的というか、トリッキーというか、なんだかヒネくれたビート・ミュージックを展開しています。70、80年代のソウルやファンク、ディスコのテイストを取り入れていて、イナタい雰囲気を感じます。
そしてそういった音楽を取り入れていることが、ビート・ミュージックの枠に収まらなければ、ヒップホップの枠にも収まらない、一風変わった音楽にしています。ビート・ミュージックとヒップホップ、エレクトロニカが交差するところにあるような音楽です。
4曲目で聴かせるホーンのメロウなフレーズや、5曲目のリリカルなピアノのフレーズなどなど、随所で聴こえてくる楽器のメロディアスなフレーズが気持ちいい! 音とたわむれているかのような、楽しさやユーモアがあるのもステキです。
2015年2月7日
週末の夜はこういうメロウなヒップホップを…… ~Mellow Minded vol. 1, Mellow Minded vol. 2~
流麗で……、メロウで……、そんな言葉がしっくりくるヒップホップのDJミックスを2本紹介します。滑らかなビートの上に乗るラップもピアノも、そしてギターも流麗で気持ちいい。そしてオサレです。無料でダウンロードできます。
2本ともMellowMaswelというオランダの方によるもの。サウンドクラウドにDJミックスをアップしているくらいなのでDJなのでしょう。
どちらも15分弱という短いDJミックスです。この尺でも、しっかりと浸ることができます。ピート・ロックやヌジャベスが好きな人は好きかも。ヒップホップにジャズやアーバンなソウル/R&Bのテイストを加えています。
このアーバンなテイストの加え方が絶妙。オサレ過ぎてイヤになってしまう感じがありません。甘すぎない、ほどよい甘さがいい感じです。すっきりと甘いメロウ・ヒップホップ。
Tracklist:
1. DJ Mitsu The Beats - Right Here (feat. Dwele)
2. The Basement Khemist - Everybody (L I F E) (Instrumental)
3. Freddie Joachim - Arruga De Agua
4. Moka Only - Drip Drop (feat. Kissey Asplund)
5. Tayyib Ali - Don’t Forget
6. Pete Rock - The Boss
7. MellowMaswel - Pieces
8. Lord Finesse - Gameplan
9. Craig Mack - Flava In Ya Ear (Instrumental)
10. Janet Jackson - Got ‘Til It’s Gone [Ummah Jay Dee’s Revenge Remix]
11. Joseph Jacobs - Keep On
Tracklist:
1. Hella Maker - Jazz Trouble (Luv (Sic) pt.3) (Instrumental)
2. Joya - Gettin' Off On You (Arkiv Remix)
3. Brandon Williams - Intimidation (So Fine) feat. dEnAuN & Pharoahe Monch
4. CoryaYo - it's a blue world
5. MellowMaswel - Concealed
6. Ohbliv - DreamReal
7. Jerreau - All Day (Prod. by Mr. Carmack)
8. Les Nubians - Tabou (Roots Remix)
9. Nick Wisdom - Illa J x Potatohead People - Never Left (Jay Dee sample flip contest)
10. S0ul Unreal - feelings.
11. Pete Rock & CL Smooth - The Basement (KA-YU X JMAC Remix)
2015年2月6日
ハンガーとJames Invazionによる、ほがらかな雰囲気のヒップホップ ~Corona & Lime (Studio Session)- HUNGER & James Invazion~
日本のヒップホップ・グループ、ガグルのMCであるハンガーと、James Invazionという日本のヒップホップ・バンドのセッション音源がアップされていました。ほどよくリラックスした雰囲気のジャジー・ヒップホップを聴かせてくれています。
ハンガーのラップはガグルで聴かせるラップよりも力が抜けていて、自然体といった感じ。そして演奏は丸っこくてやわらかい。朗らかなホーンの音が気持ちいい。きれいな夕日を浴びながら家に帰るところを描いたような、ほんわかとした曲です。
2015年2月5日
サイレント・ポエツによる心地よくて力強いダブ ~SILENT POETS DJ SET~
下田法晴(しもだ・みちはる)のソロ・プロジェクトである、サイレント・ポエツのDJの映像がとても心地よいので紹介します。気持ちよく低音域がうなるダブを聴かせてくれています。
ユルくて心地よい音、そしてそれと同時に力強くうなる低音域……。
2015年2月4日
ヒップホップ・ミーツ・チルアウトな心地よいインストゥルメンタルをピックアップ ~wun two, LUMINATE, Mono:Massive, matatabie, and ShunGu~
心地よくチルアウトできそうなインストのヒップホップをサウンドクラウドからピックアップしてみました。wun two、matatabiなどなど……、気持ちのいい曲です。
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ヒップホップ+チルアウトの作り手の名手と言っていいですかね、この人は。ドイツのビートメイカーであるwun twoの曲です。冒頭のギターの音からもうすでに気持ちいい。ところで、なぜ“城”というタイトルなのか?
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アメリカのLUMINATE(ルミネイトでよい?)というビートメイカーの曲です。このビートメイカーの曲は初めて聴きました。ユルいビートと気の抜けたようなラッパの音が心地よい。
*
こちらはオーストラリアのビートメイカー。Mono:Massive(モノマッシヴでしょうか)の曲です。途中で出てくる浮遊感のあるラッパの音がいい感じです。
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このブログでよく取り上げている日本人ビートメイカー、matatabiの曲です。この人もヒップホップ+チルアウトの作り手の名手です。相変わらず気持ちいい曲を聴かせてくれます。matatabiではなく、matatabieという表記はなんだろう?
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最後はベルギーのビートメイカーであるShunGuの曲。ヒップホップとフューチャー・ソウルを混ぜ合わせて、チルアウトに落とし込んだような? そんな感じです。そしておしゃれ!
2015年2月3日
DJハリソンによる、ユルくて心地よいジャズ・ファンク ~Drms Versus Rhdes - Detroit Tribute By DJ Harrison~
アメリカのビートメイカーであり、マルチ・インストゥルメンタリストである、DJハリソンが心地よい音源をサウンドクラウドにアップしていました。ジャズ・ファンク系のユルい曲です。
シンプルなドラムのリズムの上に、カッティングによるギターの音とモニョモニョとしたキーボードの音が乗っています。とてもシンプルな作り。そして心地よい。
2015年2月1日
まったりと落ち着ける、ダンディな大人のヒップホップ ~BeatPete - Patterns - (Louche Vinyl Guest Mix 12/2014)~
この人のDJミックスはやっぱりまちがいない! 今回もかっこいい! ベルリンのヒップホップDJである、ビートピートのDJミックスです。内容は古いジャズやソウルとヒップホップを混ぜ合わせたもので、いままでのスタイルと変わりません。
Bボーイの魂を失わない、ダンディな大人のヒップホップ……。あるいはヴィンテージ感のある音が心地よく体に染み渡る、まったりと落ち着けるヒップホップ……。そんなふうに表現しておきます。無料でダウンロードできます。
Tracklist:
1. Intro
2. Onra & Quetzal - Ready
3. Madlib - Dil Withers Suite
4. Dave Sparkz & Wodoo Wolcan - Cold Steel
5. Carlos Nino & John Robinson - Love, Hugs & Hip Hop Soul
6. Jneiro Jarel - Soul Starr
7. Hubert Daviz - Aalto
8. Repeat Pattern & Broke - Never Look Back
9. KanKick - Shrooming Birds Morning Song
10. FloFilz - Late Night Cruise
11. Freddie Joachim - That's Life
12. Green Butter - Moon Skate
13. Stainless Steele & Ohbliv - Animated Dreams
14. Mr. Dibia$e - Doowop
15. Jonwayne - Altitude
16. Simiah - Purple
17. Mndsgn & Ivan Ave - Obedience
18. Twit One - Donuthin'
19. Dave Sparkz & Wodoo Wolcan - Murda Tape
20. DJ Lyrik aka A Cat Called FRITZ - Drunk Master
21. Samon Kawamura & Kev Brown - Still Significant
22. Jazz Liberatorz - Dark Keys
23. Freddie Joachim - Can't Say
24. The Pilots - Q & A
25. Mabanua & Tamala - Him
26. Elaquent - My Apologies
27. Stainless Steele - Unknown Lands
28. Twit One - Thot
29. Wun Two - Garrya
30. Georgia Anne Muldrow - Patience
31. Azymuth - Dona Olimpia
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