2019年4月26日
無骨なジャジー・ヒップホップ ~You Got My Love By yuheimiura~
タフなヒップホップと無骨なジャズの融合……。あえて音をラフな感じにしたのか、こういう音がこの人の特徴なのか、どちらなのか分かりません。それは置いておいて、ラフというか、ルーズというか、グシャッとつぶれたような粒の粗い音がクール!
日本人ビートメイカー、yuhei miuraによるこの作品には、そんなインストゥルメンタル・ヒップホップが並んでいます。ヒップホップらしい男っぽさばかりでもなければ、甘いだけでもないし、おしゃれなだけでもなくて、それらの配分がちょうどいい。
気持ちのいい酩酊感を与えてくれる、ヨレたようなリズムもあります。ワイルドでおしゃれで、そしてチルな音が好きな人はぜひ!
2019年4月24日
ハードにタフに、クールにスタイリッシュに、そしてスウィートに ~Key Milestone By TiMT~
ハードでタフなヒップホップのリズムと、きらびやかなハウス、もしくはディスコ・ファンクが混ざり合った音楽。1980年代のソウルやディスコの面影もうっすらと。日本人ビートメイカーであるTiMTのフル・アルバムのサイズの作品としては通算2作目となる作品です。
ヒップホップとハウスをつなぐこの作品には、華やかな都会の夜を思わせるアーバンな雰囲気があり、ひとつひとつの音には夜露にぬれたかのようなしっとりとした質感が……。また、適度な甘さもあります。夜、部屋でこの音楽を鳴らせば、いい雰囲気を運んできてくれそう。そんな、おしゃれな音楽です。
2019年4月23日
心地よいまどろみに包み込まれ…… ~Chillhop Essentials - Spring 2019 By Chillhop Records~
ユルくおだやかに、キュートにスタイリッシュに、そして甘く……。ここに並ぶのはそんなインストゥルメンタル・ヒップホップ/ブレイクビーツ。つまりいつものチルホップ・レコーズの世界ということです。
この音の心地よさにはとても抗うことができません。甘い音楽なんて聴きたくない!なんてことを言う人もトリコにしてしまいそう。身も心もリラックスさせてくれる、チルアウトさせてくれる音楽。毎日の夜のチルアウトの時間にぜひどうぞ。
2019年4月19日
ビートが春の日差しのような心地よさを届けます ~Jasmine Instrumentals By Sweet William~
日本人ビートメイカーのスウィート・ウィリアムと、同じく日本人で沖縄出身のMCである唾奇の2人による、『ジャスミン』という作品のインストゥルメンタル版。インストゥルメンタルなので、スウィート・ウィリアムによる作品ということになっています。
ラップのないこの作品……。これはビート・ミュージック、インストゥルメンタル・ヒップホップ、そしてエレクトロニカの名盤の仲間入りをする、そんな作品ではないでしょうか。ヒップホップとエレクトロニカの間にあるような音楽を展開しています。
可憐なピアノの音、きらびやかな電子音、あたたかみのあるドラムの音。そういった音たちが絡み合い、ジャスミンの花のようなキュートさと、ぽかぽかとした春の日差しのような心地よさを生んでいます。これは天気のいい休日の午後に、思わず眠りに導かれてしまう、といったような心地よさ。
それと同時にファニーと言いますか、チャーミングと言いますか、そういう雰囲気があって、聴いていて楽しくもあります。心地よさと楽しさが一緒くたになった、いい雰囲気の作品です。
2019年4月18日
ビートはまったりと、そしてしっとりと ~shoot the breeze By billy the kid~
哀愁があるというか、憂いを帯びたというか、しっとりとしたというか。そんな落ち着いた雰囲気を漂わせるインストゥルメンタル・ヒップホップ。ロシアのビリー・ザ・キッドと名乗るビートメイカーによる作品です。
ジャジーなピアノやギターのこじゃれたフレーズを響かせ、古いソウルのレコードにありそうなあたたかみのある音が全体を包み込んでいる……、といった感じでしょうか。派手さのない、落ち着いたところがよくて、最後まで気持ちよく聴かせます。
2019年4月10日
ヒップホップ版のダーク・アンビエント? ~The Lapse Of The Exchange / Alone Moving Often By Reto A Ichi~
ヒップホップのトラックメイカーが作るポスト・クラシカル、もしくはドローンか、ダーク・アンビエントか……、といった風の音楽。全体に暗く、重たいムードが漂い、その中で美しいメロディを奏でるピアノや妖しくうごめくような電子音が鳴っています。
ギレルモ・スコット・ヘレン。いや、プレフューズ73と言ったほうがいいでしょうか。こういう音楽を作るから、この人の音楽を追いかけることはやめられません。この作品はヘレンのレト・ア・イチという名義による作品です。
CDでは2枚組、全26曲でトータルタイムは約85分。かなりのボリュームがあります。それでもムードは最初から最後までほとんど変わることなく、暗くて重たい……。聴いていると、幻想的な世界へ誘われる感覚を覚えます。
2019年4月7日
まどろみのラップ、ポエトリー・リーディング、そして歌 ~A World Without Snooze, Vol. 2 - EP By Biig Piig~
ブルースやソウルの趣のある、まどろむようなちょっと気だるいトラック。ポエトリー・リーディングとラップと歌の間をぬっていくような声。これらが混じり合った音楽を聴いていると、心地よい眠りに導かれる感覚を覚えます。
Biig Piigなるイギリス・ロンドンの女性MCによるEP作品。音楽としてはヒップホップとソウルの間……、といったところでしょうか。全体に漂う健康的な色気に酔わされます。
2019年4月4日
クールさと美しさのはざまで揺れるディープ・ハウス ~A Winter Sampler By All Day I Dream~
基本に忠実な? 派手さのない? 特にこれといった大きな特徴もそれほどないか……? そんな表現もできてしまいそうな、オーソドックスと言っていいディープ・ハウスが並ぶ、イギリスのオール・デイ・アイ・ドリームなるレーベルのコンピレーション・アルバム。
しかしサラッと聴き流すことのできない魅力が……。それはクールさと美しさが混じり合った音が実に心地よく、気持ちいいこと。その音に心惹かれ、最後まで浸ってしまいます。作りが丁寧、かつ繊細で、ひとつひとつの音が体に気持ちよく吸い込まれていくかのよう。
上質を極めたディープ・ハウス!とでも言っておきましょうか。それと、ウインター・サンプラーというタイトルが付いていますが、冬っぽい曲が並んでいるわけではありません。
2019年4月3日
古のソウルのムードを漂わせるヒップホップ・アルバム ~John Yancey By Illa J~
ふんわりとやわらかく……。ソウル・シンガーのアルバムのような趣を漂わせるヒップホップ・アルバム。ビートメイカーであるJ・ディラの弟、イラ・Jの通算4作目となるアルバムです。
これは歌? いや、ラップ? 歌うようなラップ、ラップのような歌と言いますか。ラップと歌をゆったりと余裕たっぷりに行き来するイラ・Jの声。この声がビンテージ感のある、シブめのソウルの風味が色濃く漂うトラックの上に乗っていきます。
そしてできあがる心地よい空間。名作と言われる大きなソファに体を包み込まれるような感覚を覚えます。この心地よさにどっぷりと浸りましょう。それとこれ、1990年代のヒップホップが好きな人は好きかもしれません。
2019年4月1日
清々しいほどにギターを鳴らして ~WESTKUST By WESTKUST~
4月1日ですし、新年度の始まりの日にふさわしい音楽を……。ということで取り上げるのは、ディストーションを思い切りかけて歪ませたギターの音が炸裂しまくるギター・ロック! というか、これはもう、シューゲイザー。
歪んだギターの音が春の嵐のように吹き荒れ、透き通った女性シンガーの歌声が駆け抜けていく全9曲トータルタイム約31分。スウェーデンの5人組のバンドであるウエストカストのフル・アルバムとしては通算2作目となる作品です。
ギターをギャンギャンと鳴らす曲が並んでいて、曲ごとに違いはほとんどありません。その一辺倒ぶりが実に清々しいのと同時に、ノビノビとした気持ちのいい空気を感じさせます。その気持ちのいい空気を感じつつ、4月からの毎日を過ごそうではないかと、そんなことを思いました。
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