2018年5月25日

女性らしい甘さと可憐さ ~Big Fan of the Sesh, Vol. 1 - EP By Biig Piig~


女性らしいフェミニンな香りを漂わせる、ややネオ・ソウル寄りのヒップホップといった感じの音楽。気だるい雰囲気を振りまく、ゆったりとしたテンポの甘いネオ・ソウル風のトラックの上に、可憐とも表現されそうなラップが乗っていく作りの曲が並んでいます。

作者はイギリス・ロンドン出身のBiig Piigと名乗る女性MC。2018年現在、20歳ということなので、若手と言える年齢です。このEP作品は2018年にリリースされたもの。

男性のヒップホップにはない女性らしさがある……と書くと、作っている側はいい反応をしないかもしれませんが、この作品を聴いたら、女性らしさに惹かれる人は多いのではないでしょうか。



2018年5月23日

しっとりとしたビートをあなたに ~one year later By mr. hong~


しとしとと雨が降った後か、静かな夜の闇か……。そんな場面によく合いそうなしっとりとしたブレイクビーツが聴こえてきます。夜、寝る前に聴くといいかもしれません。アメリカのmr. hongなるビートメイカーの作品です。

簡素とも言えるドラムの上に、ジャズやブルースのテイストを含んだギターやピアノ、そしてホーンが奏でる、ほっこりとした雰囲気のおだやかなメロディが乗っていく作りの曲が並びます。全編がしっとりとした潤いのある清らかな音にまとめられていて、心が洗われるようです。



2018年5月14日

ジャズ・ピアニストによる極上のインストゥルメンタル・ヒップホップ ~"Miss U" and "What a Day" By Kiefer~


ジャジーなピアノとローファイなヒップホップのビートが絡み合い、美しい世界を描きます。おしゃれになりすぎず、端正になりすぎず、ちょっとラフなところがあるのがいいアクセントになっています。ピアノを軸にしたジャジーなインストゥルメンタル・ヒップホップが好きな人は好きになるでしょう。

キーファー・シャッケルフォードなるアメリカ・ロサンゼルスのジャズ・ピアニストによるシングル作品「ミス・ユー」と、2018年6月にリリースするアルバム『ハッピーサッド』の収録曲「ホワット・ア・デイ」はそんな音楽。ヒップホップ好きもジャズ好きも、まとめてトリコにしてくれそうです。





2018年5月13日

かぐわしい香りを漂わせるビート ~NOSNIJA x GAD [SP404 BEATSESSION] By NOSNIJA x GAD~


これはまたいい音。グリーン・アサシン・ダラーとNOSNIJA(読み方が分からないので、アルファベット表記です)という2人の日本人ビートメイカーによるセッション音源です。こういうクールな音楽があるから、サウンドクラウドにアップされている音源のチェックはやめられません。

展開するのは野蛮なヒップホップと甘くなまめかしいソウル/R&Bが最高のバランスで混ざり合った音楽。アンダーグラウンド・ヒップホップの香りを濃厚に漂わせています。その香りは思わずうっとりとさせられるほど、何ともかぐわしい……。



2018年5月8日

夏の夜のバレアリック・ハウス、そしてチルアルト・ミュージック ~Mystery Dub EP By D.K.~


これを聴いて思うのは南国の夜か……。ここに並ぶのは穏やかな躍動感のあるバレアリック・ハウスと、チルアウト・ミュージックの感覚を多分に含んだバレアリック(ハウスが付かない)。聴いていると、あたたかく湿った心地よい南国の風を感じます。

フランス在住と思われるD.K.なるクリエイターによるこの作品。アンビエントやニュー・エイジといったあたりの音楽に近いところも感じます。南国の夜を思うのは熱帯地域の民族音楽を想起させる打楽器の音や、ゆるやかに浮遊する湿り気のあるシンセサイザーの音が鳴っているからでしょうか。

これから訪れる夏の夜に体をクールダウンさせるべく鳴らされる、そんな音楽であるような気がします。



2018年5月6日

クールに踊ってくれよ、このダンサブルなジャズ・ハウスで ~Modularity By String Theory~


ジャズ・ハウス……という言葉はやや古い? ジャズやファンク、フュージョンを混ぜ合わせたディープ・ハウスが並ぶ、ストリング・セオリーなるスコットランドのデュオによるこの作品には、1990年代に流行ったジャズ・ハウスを思わせるところがあります。

アッパー過ぎず、メロウ過ぎず、程よくダンサブル。……というテンションの曲が並び、突き上げてくるリズムと、そのリズムにウネりながら絡みつくベース、小気味よくスイングするエレクトリック・ピアノが聴き手をかる~く躍らせそう。全体にクールで上品な雰囲気を漂わせ、しかしキザには聴こえず、洗練されたいい雰囲気を感じます。



2018年5月3日

ゴールデン・ウィークにこそ届けたいユルいビート ~ゆくbeatsくるbeats [a lofi holiday mix] By beipana~


休日によく合う音楽。タイトルに『ア・ローファイ・ホリデイ・ミックス』と付いているくらいだから、休日のために作られたDJミックスと言っていいでしょう。音が漂わせるあたたかみは5月、6月頃の気候のよう……。ゆえにこれを聴くのにちょうどいいのはゴールデン・ウィーク!

ベイパナ……と読むのでしょうか、beipanaと表記する日本人と思われるクリエイター兼DJがサウンドクラウドにアップしていたDJミックスです。ソウルやジャズの風味を混ぜ合わせたユルめのヒップホップを中心に構成されています。

冒頭部分を聴いてユルくホンワリと進んでいくのかと思いきや、ときにリリカルに、ときにしっとりと……といった具合にシリアスな展開を挟みつつ、最後は名残惜しさみたいなものを残して終わる実にいい展開です。