2018年1月5日

アスリートのような、女戦士のような、フィメールMCによるヒップホップ・アルバム ~Laila's Wisdom By Rapsody~


女性らしい甘さなんて表現をすることがありますが、アメリカのフィメールMCであるラプソディが2017年にリリースしたこの作品で聴かせるラップからは、女性らしい甘さよりも、勇ましさやたくましさをより強く感じます。

アスリートのようと言いますか、女戦士のようと言いますか……。ラップにあるのはそんなストイックな雰囲気。とはいえ、女性らしさがないなんてことはなく、ややねっとりとした声には女性らしさがあります。

ナインス・ワンダーやクライシスが手掛けたトラックも、そのラップとよく似たテイスト。ヒップホップらしいハードな質感とストリート感のある音が、ソウルやR&Bの甘さといいあんばいに混ぜ合わされています。1990年代のヒップホップ、オーセンティックなヒップホップの音ですね。

このトロけるようでいて、しかしハード……、といった風の音でもって、ややゴージャスかつややドラマティックに展開し、キレ味鋭くタイトに突っ込んでくるドラムを交えています。この展開もまた1990年代的? この作品を聴く限りでは、ラプソディはオーセンティックなヒップホップの正統後継者と言ってよさそうです。

バスタ・ライムスやケンドリック・ラマー、アンダーソン・パーク、テラス・マーティン、BJ・ザ・シカゴ・キッド……、などがゲストで参加しています。それにしてもこの作品、これは2017年を代表する1枚でしょう! それぐらいかっこいい!





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