伝説の……と言われるほどの存在であるビートメイカー、J・ディラの弟であり、ラッパーとして活動するイラ・Jの通算3作目。タイトルは『ホーム』。このタイトルにしたのは、この作品には我が家のようなあたたかさがある、あるいは家族同士の思いやりの心みたいなものを込めた……、からではないかと、そんなことを思いました。
この作品にあるのはそんなあたたかさ。丸っこいビートとほっこりとした質感のウワモノのサウンドが基調になっていて、ヒップホップにカテゴライズされる作品でありながらも、イカツさは皆無。ネオ・ソウルに通じる温もりが全編を覆っています。
そしてイラ・Jはあたかみのあるトラックに軽やかに乗ってたゆたうように、ラップと歌を行き来します。夕暮れ時、我が家に帰る道すがら聴こえてくる歌声のように聴こえなくもない? あたたかい音に彩られたこのヒップホップは、これからの秋の季節に合いそうです。
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