2017年2月13日

まったりしたい、ほっこりしたい……、そんな気持ちに応えるヒップホップ ~BeatPete, Wun Two & digitalluc - Vinyl Session - Part # 69 - Beatmaker Special~


シビれるようなビートだけではなくて、こういうまったりとしたユルいノリ、それとおしゃれな感じもほしいんだよなーという気持ちにばっちり応えてくれる音。そんな音はドイツのヒップホップDJ、ビートピートが届けてくれます。

今回取り上げる映像はビートピートが定期的に行っているセッションの様子を収めたもの。ここでもヴィンテージ感のあるあたたかい音を基調にした、ジャジーであったり、ソウルフルであったりするヒップホップ/ブレイクビーツを聴かせています。

そしてユルいヒップホップの名手であるWun Twoが参加しているからなのか、これまでのものよりもよりいっそうユルくなった感があり、さらにはWun Twoならではの南国フレイヴァーが加味されています。

お茶を飲みながら、コーヒーを飲みながら、まったり楽しみましょう。できれば一日の終わりに。そうすればいい気持ちで一日を終えることができそうです。



2017年2月10日

ヒップホップを経由してスピリチュアル・ジャズへと ~freeform jazz By uyama hiroto~


CDのみに収録された最終曲「スピン・ザ・トゥルース」がとにかく素晴らしい! 明日への希望、生きることの希望……、そんな希望に満ち満ちた曲……。CDよりも少し安いダウンロード版を買うか、CDを買うか迷っているという方、「スピン・ザ・トゥルース」を知らないのであれば、CDを買うことをおすすめします。

いや、それはそれとして、1曲目から2曲目の本作の導入にあたる部分からしてもう最高なのです。硬質なピアノの音と静かな電子音のみで構成された1曲目から2曲目にスムーズに移行し、すべての楽器が立ち上がった瞬間……、目の前に美しい景色が広がり、ウヤマ・ヒロトの3作目『フリーフォーム・ジャズ』の世界が始まります。

そして入り込んだその世界は個々のプレイヤーが発する生命力と躍動感に溢れた美しい世界。ヌジャベスと共に活動してきたウヤマらしいリリカルでメロウなジャジー・ヒップホップ……と思って聴くと、ちょっと違う。ヒップホップと言うのもちょっと違うし、ジャズと言うのもちょっと違う。では何だこれはと考えたら、一番近いのはヒップホップを経由したスピリチュアル・ジャズではないかと。

ただのBGMに堕することをかたくなに拒んでいるのかと思わせるほど、ひとつひとつの音が存在を主張するように鳴っています。魂に? 精神に? 訴えかけてくるかのよう。それがスピリチュアル・ジャズと言いたくなる所以。ガラス細工のような美しさをたたえたメロウな旋律の中に、無骨と表現できるほどの力強さを感じます。





2017年2月8日

ローファイなヌジャベス? ~ntourage's sounds on SoundCloud~


ntourageという何と読むのか分からないアンゴラ共和国のビートメイカー。秋の終わりか、もしくは冬の初めに吹く風のような哀愁を漂わせる、インストゥルメンタルのヒップホップを聴かせています。ローファイなヌジャベス?とでも言えそうな、リリカルな雰囲気の楽曲たちがハートにじんわりとしみ込んできてとてもいい感じ。

電子音に布をかぶせたような丸っこい音というか、何度も再生した古いビデオテープを古いビデオデッキで再生したような擦り切れた音というか……。そんなローファイな音が素早く過ぎ去る時間とは別の世界で鳴っているのかと思わせる、ノンビリとしたテンポで流れ、耳をほんわりとあたたかく包み込みます。









2017年2月6日

深い海の底へと沈み込む、美しく輝くダビーな音 ~Deep Dive Dub By Dub Spencer & Trance Hill~


深く……、とにかく深く……、そして低く……。海の底に引きずり込まれるのではないかと、そんなことを思わせるほど、深く低く沈み込んでいく低音域……。タイトルの通り、深く沈み込むダブ……! 海の底へと誘うのはダブ・スペンサー&トランス・ヒルなるスイスの4人組のバンドです。これが通算9作目の作品だと思われます。

磨きに磨かれた、研ぎ澄まされた美しい光沢感をたたえたギターやベース、ドラムの音がウネりを伴いながら一体となって、押し寄せては引いていくかのように展開していきます。音楽的にはテクノやエレクトロニカを通過した世代が奏でるサイケデリックなダブといったところ。

一度深い海の底へ行ってしまったら、もうずっとそのまま。最初から最後までほぼ同じテンションの深く沈み込んでいく曲が続きます。メタリックな感触を覚える、硬質な冷たい音が海の底で明滅する光のように、聴こえてきては消えていく……。このバンドは海の底から聴こえてくる音を再現しているのでしょうか? ジャケットもそんな感じだし……。



2017年2月4日

マルーン・ザブームが誘う宇宙旅行 ~PINK By Maloon TheBoom~


宇宙っぽい、コズミックなインストゥルメンタル・ヒップホップ。これは110分間の宇宙旅行。実におだやかな宇宙旅行。心をおだやかな宇宙空間へと、ほわほわ~と誘います。案内人はスイスのビートメイカー、マルーン・ザブームでございます。

ソウルから拝借したあたたかみ、ジャズの香りを漂わせるこじゃれたフレーズ、良質なエレクトロニカから抽出した心地よい電子音、そういった音を注入したヒップホップをゆるやかに、おだやかに展開しています。

全体の展開の中にそれほどの起伏はなく、ほぼ同じテンションとリズムの曲が続いていくのがいいところ。ちょうどいいあんばいに落ち着いたテンションが終始続いていきます。夜、だら~っと流しておく……、そういう聴き方がよさそうです。