2021年8月16日

まどろみの果てで鳴るソウル・ミュージック ~Rare Pleasure By MNDSGN~ (2021 Release)


おだやかなあたたかい日差しの下でまどろむような……、そんな雰囲気がたまりません。アメリカのクリエイター、マインドデザインのこの通算3作目のアルバムには、そういった雰囲気のソウルが並んでいます。チルアウトのひとときに、リラックスのひとときに届けたい作品です。

どことなく古めかしさを感じるヴィンテージ感のある音と、フューチャリスティックな音が混じり合い、古のソウルと2020年代のネオ・ソウルが重なり合ったかのよう。数年後には時代に左右されないエヴァーグリーンな作品となっているかもしれません。

2021年8月12日

美しさと激しさが溶け合いながら・続き ~Metamorphosis By Linn Mori~ (2021 Release)


夜中に静かに雨が降った後のような、しっとりとした質感のインストゥルメンタル・ヒップホップが並んだ作品。日本人ビートメイカー、リン・モリによる本作は前作『デジタル・チャーチ』の続編という位置づけらしく、聴き進めるとたしかに『デジタル~』と地続きになっている感覚を覚えます。

前作よりもテンポはゆったりと、ドラムの音は穏やかに、そして全体の音がしっとりと……。そんなふうに変化している印象を受けます。ここでひとつの世界が落ち着いたか、次へ向かうためのひと区切りとなったかしているかのようです。本作と前作を続けて聴きましょう。

2021年8月11日

美しさと激しさが溶け合いながら ~Digital Church By Linn Mori~ (2020 Release)


キラキラと輝く音の層が重なり合った美しいインストゥルメンタル・ヒップホップ? いや、エレクトロニカ? やさしい音とワイルドな音、やわらかさと激しさが溶け合いながらできあがったような音楽です。ヒップホップ、エレクトロニカ、アンビエントのちょうど真ん中にあるような印象を受けます。

作者は日本人ビートメイカーのリン・モリ。触れたら壊れそうな繊細な美しさはここでも健在で、この音楽をヒップホップというのを若干ためらうのはそういう類の美しさがあるから。曲の流れも素晴らしく、とても好きな作品です。

2021年8月6日

気持ちは南国のリゾート地へと ~Marshmallow By The Sweet Enoughs~ (2020 Release)


これぞ夏の音楽、これぞ南国のリゾート地の音楽。少し古めかしくて、ゆったりとしたムーディな雰囲気がたまりません。1950年代、もしくは1960年代、いや、それよりもっと前のイージ・リスニング? あるいはジャズ?と思わせますが、2020年にリリースされた作品です。

作者はオーストラリアのフューチャー・ソウル・バンド、ハイエイタス・カイヨーテのベーシストであるポール・ベンダーとキーボードのサイモン・マーヴィン、そしてプロデューサーのラックラン・ミッチェルの3人からなるザ・スウィート・イナフ。

ただ流しておくだけで、その場の空気を入れ替えてくれるかのよう。南国に行かなくても、これを流しておけば、気持ちは南国へ行けそうです。