2019年5月30日
心地よい……、けれど、異形? そんな印象のインストゥルメンタル・ヒップホップ ~No comply By 1Co.INR~
特徴はちょっとヒネくれたリズム? この手のインストゥルメンタル・ヒップホップにしては変拍子がやや多い……? そんな印象を受けます。ヒップホップにジャズやソウル、エレクトロニカを絡めた音楽を展開する、1Co.INRと書いて何と読むのか分からない日本人ビートメイカーによる作品です。
変拍子がやや多いのはジャズから、セクシーかつアーバンな雰囲気を漂わせる音はソウルから、数多く飛び出す浮遊感のある音はエレクトロニカから、それぞれ拝借したものでしょうか。
前述した通りインストゥルメンタル・ヒップホップにカテゴライズされる作品ではありますが、ヒップホップ以外の音楽をバックボーンに持った人物が作ったかのよう。洗練されていて気持ちよく聴けるけれど、しかしどこかヒネくれている……。
2019年5月28日
アンビエントとハウスが溶け合ったこの音楽をダンスフロアとベッドルームに届けよう ~Bioluminescence By Teen Daze~
今回、歌はなし。すべてインストゥルメンタル。カナダ出身のクリエイターであるジェイソン・アイザックによる、ティーン・デイズ名義の作品です。アンビエントとエレクトロニカを軸にして、ハウス(ディープ・ハウス? バレアリック・ハウス?)を絡めた音楽を展開しています。
静と動をおおらかにゆったりと行き来しながら、連れて行ってくれる世界はさながら桃源郷……。ダンサブルなリズムがあり、リリカルな雰囲気を漂わせるどこか古めかしいギターやピアノの心地よい響きがあり、終始うっとりとさせてくれます。
2019年5月23日
甘い色気に酔わされて ~Villa Rosa By Fitz Ambro$e & Submerse~
無骨で、それでいてセクシーなビート・ミュージック/ブレイクビーツ/インストゥルメンタル・ヒップホップ。ヒップホップのワイルドな要素と、1980~90年代のソウルやR&Bの甘い色気を融合させたような音楽です。洗練されたアーバンな雰囲気と、とろけるような甘い色気に酔わされます。
カナダ出身で東京在住のフィッツ・アンブローズ、そしてイギリス出身のサブマースの2人がタッグを組んで作った作品。全7曲でトータルタイムは約15分という短い尺でもじゅうぶんに楽しませてくれる、いや、酔わせてくれます。
2019年5月20日
暗く、そして美しいシンセサイザーとギターが織りなす、ダーク・アンビエント ~Nothing Is Objective By Suso Saiz~
この音楽が導くのは深い暗闇か、もしくは自分の精神世界か……? そんなことを思わせる、ややダークな色彩のアンビエント、あるいはドローンといったあたりの音楽を展開する、スペインのクリエイターであるスーソ・サイスの作品です。
空中を妖しく浮遊する、暗い雲のような色合いのシンセサイザーやギターの音がゆっくりと色合いを変えながら、全体を覆いつくしていきます。打楽器がうっすらと鳴っているところはあるものの、その音がほぼメイン。その音に飲み込まれて、深い暗闇をのぞき込むのか、心の奥深くをのぞき込むのか……。
2019年5月16日
静かな夜を連想させる、しっとりとしたブレイクビーツ ~self reflection By less.people~
ソウルとジャズのテイストを含んだ、冒頭のおしゃれなピアノの響きに思わずうっとり……。オランダのレーベルであるチルホップ・レコーズからのリリースとあって、このレーベルらしいおしゃれなブレイクビーツを聴かせてれる作品です。
作者はless.peopleと名乗るビートメイカー(どこの国の方かは不明)。ダウンテンポよりもさらにゆったりとしたテンポの楽曲が並び、夜、寝る前に聴きたくなるような心地よさと気だるさが混じり合ったムードが充満しています。
2019年5月13日
日々の暮らしに寄り添う、おだやかな心地よいビート ~kadode 2 By matatabi~
レトロな雰囲気の、チープと言ってもいい音。昭和時代の市井の人々の暮らしを思い起こさせるかのよう。この音はゆったりと、まったりと、おだやかに流れていきます。そんな音で構成された、チルアウト感たっぷりのインストゥルメンタル・ヒップホップ/ビート・ミュージックが並ぶ、日本人ビートメイカーであるmatatabiの作品です。
日常のサウンドトラックであるかのように、この作品からは市井の人々の暮らしの香りみたいなものを感じます。日々の暮らしに寄り添う音楽といったところでしょうか。別の世界に連れて行ってくれる音楽の心地よさとは違う種類の心地よさを感じます。毎日の生活がこの音楽のようにユルくおだやかに、そして心地よくなりますよう……。
2019年5月8日
あたたかみのある、温もりのある、過去のなつかしい記憶を呼び起こすようなエレクトロニカ ~Kingdoms In Colour By Maribou State~
叙情的、そして哀愁漂う、エレクトロニカ。ちょっと古めかしい? なつかしくて、温かみのあるホンワリとした音が冒頭から聴こえてきます。クリス・デヴィッドとリアム・アイヴォリーという2人からなる、イギリスのユニットであるマリブ・ステートの作品です。
エレクトロニカ、つまり電子音楽。そういう音楽でありつつも、オーガニックな質感の音を基調にしているのが特徴です。ドラムやキーボード、弦楽器などの音の響きに耳を傾けると、古典的な楽器の音を聴いているときのような温もりを感じるのは、あえて古い楽器を使っているからなのか、そういう作りの音にしているからなのか……?
音も歌のメロディも、どちらも実にソウルフル。昔の古い記憶を呼び起こすような、昔よく行ったなつかしい場所のことを思い出させるような、そんな音楽です。ボノボやフォー・テット、あるいはカリブーなどが好きな人は好きかもしれません。
2019年5月5日
たゆたう心地よい音に、ただ身を委ねよう ~Sallaw By Porya Hatami, Roberto Attanasio & Aaron Martin~
しごくまっとうな、実にシンプルなアンビエント。……であるからこそ、シンプルであるがこその心地よさがここにはあります。ひんやりとした冷たい感触の美しい電子音の中に、ピアノの音や弦楽器の音を散りばめた作りの音楽が並んでいます。
イラン出身でアンビエントやドローンの作品をリリースしているクリエイターのポルヤ・ハタミ、アメリカ出身でマルチ・インストゥルメンタリストのアーロン・マーティン、イタリア出身でピアニスト兼作曲家のロバート・アッタナシオ。この3人による作品です。
やや冷たい音の感触が耳に心地よく、その音に惹きつけられます。奇をてらったところのない、シンプルなアンビエントを聴きたい方はぜひ。
2019年5月4日
休日の終わりにはこのヒーリング・ミュージックを ~2014.12.31 By HNNY~
ふわふわと……、ほわほわと……。聴いていると、心が気持ちよく浮遊していくかのよう。そんな心地よいアンビエント、エレクトロニカ、ダウンテンポといったあたりの音楽を展開しています。ヨハン・セダバーグというスウェーデンのクリエイターのHNNY名義による作品です。
作品全体に夏の田舎の夕暮れ時のような雰囲気があるのを感じます。ちょっと切なくて、そして何だかなつかしい……、そういう雰囲気。楽しかった1日を心地よく終わらせてくれるヒーリング・ミュージック、とでもいったところでしょうか。
登録:
投稿 (Atom)