ダークなチャンス・ザ・ラッパーと言いますか……。そのチャンス~も参加したシカゴ出身、1994年生まれのMCであるサバによる作品です。チャンス~が陽なら、サバは陰、そう言ってもいいかもしれません。
ジャケットの色彩によく似た、暗い色彩の音を基調にしたヒップホップ・アルバムではあるのですが、その暗さの中にはやさしさが、ネオ・ソウルゆずりと思われるぬくもりがあるように感じます。
そして重たいリズムはほとんどなく、刻まれているのはしっとりとした質感の低く沈み込んでいくリズムが中心。その上にピアノやエレクトロニクスをうっすらと重ねた、静かな夜を思わせるトラックが並んでいます。
言葉の数がわりと多く、言葉を詰め込んでいくスタイルのサバのラップはポエトリー・リーディングに近い瞬間も。聴いていると、何かを語りかけられている感覚を覚えます。静かな熱を持った美しいヒップホップ……、と言っておきましょう。
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