いやー、煙たい。これは煙たい。ドラムの音は輪郭がボヤけ、電子音は何層ものフィルターを通過したかのごときかすれ方をして、ヴォイス・サンプルは古いビデオテープの音声のように響く……、といった風にすべての音がモクモクと、そしてモヤモヤとしています。
日本人ビートメイカーのNICKELMANと台湾のビートメイカー、FarragoLによる楽曲を1つにまとめた本作には、そんな煙たくかすんだスモーキーな音を基調にした、ローファイなインストゥルメンタル・ヒップホップが並んでいます。
両者の楽曲のスタイルにそれほど変わりはなく、あえてちがいを挙げるとするのであれば、NICKELMANがややダブやジャズに寄っていて、FarragoLがややソウルやディスコに寄っている……、と言えるか……?
それよりもまずは、ここに濃密に漂うアンダーグラウンドの香り……。それを楽しめれば、それに酔うことができれば、いいのではないでしょうか。
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