2017年6月26日
チルアウト感溢れるユルいビートにおぼれて ~life. By jinsang~
まどろむビートに導かれて、おだやかな空間へといざ行かん……。行き着く先は心地よい午睡の夢の中でしょうか。はたまた、木漏れ日あふれる森の中でしょうか。アメリカ在住のjinsangなるビートメイカーが誘います。
ヒップホップってこんなにおだやかに、こんなにあたたかくなれたんですね。森の中に差し込むあたたかな陽光のような温もりを持った音に身をゆだねていると、これをヒップホップの一種と言っていいのかと、そんなことを思います。
ここで展開されているのはユルく、そしてメロウなインストゥルメンタル・ヒップホップ。まどろみましょう。トロけましょう。
2017年6月24日
鮮やかな色彩に染め上げられたヒップホップ・アルバム ~001: Experiments By Lou Phelps~
1曲以外はケイトラナダがプロデュースした曲で構成された、ケイトラナダの実の弟であるMC、ルー・フェルプスによる作品。プロデューサーが異なる1曲はどの曲なのでしょうか。情報が見つからず、分かりませんでした。
プロデューサーが誰なのか分かってから聴くと、ああ、たしかに、と感じるケイトラナダらしい曲が並んでいます。弾むドラムとビコビコしたベース、宙を舞うキーボードが絡み合うディスコ・ファンク風の5曲目「ホワット・タイム・イズ・イット?」なんかが最も分かりやすい。
ドッパーン、ドッドッパーンみたいな、いかにもヒップホップらしいリズムをそれほど持ち込まず、華やかなソウルやファンクを取り込んだトラックが中心。フェルプスはそういったトラックに軽~く言葉を乗せ、いい具合に力の抜けた作品に仕上げています。ルーペ・フィアスコのデビュー作を思わせるフレッシュさも。
2017年6月18日
今日はこれを聴いて静かに眠ろう ~Sleep Vol.1 By [neonpajamas]~
アメリカの[neonpajamas]なる人物によるDJミックス……。眠るための音楽なのでしょうか、これは。そう、きっとこれは眠るための音楽なのでしょう。奥深くで静かに鳴るリズムと、揺らめきながら落ちていく電子音が織りなす、ジャジーなブレイクビーツか、もしくはダウンテンポか……、そんな音楽を聴かせています。
しっとりとした音の気持ちよさ、心地よさがあるのはもちろんのこと、楽しかった時間が終わるときに感じる切なさみたいなものも感じます。寝る前の約16分30秒。心地よい音に浸りましょう。
Tracklist:
1. 00:00 - Theta Waves By cory grindberg
2. 01:55 - Annabelle By jaro
3. 04:04 - Naps By joe nora
4. 06:40 - Bittersweet By barnes blvd.
5. 08:38 - Kind of Existing By alone time
6. 10:53 - Kind A By TedLK
7. 13:22 - ! By shrimpnose
2017年6月14日
静謐な空間に鳴り響く和の心を持ったビートたち ~NN EP By YAMAAN~
日本人ビートメイカー/DJのヤマーンが実に清々しく、そして美しいインストゥルメンタル・ヒップホップ/ブレイクビーツを聴かせていました。日本人らしい和の心を感じる6曲からなる作品です。
太く柔らかいビートの上に、きらびやかな電子音を散りばめていくというのが基本的な曲の作り。ビートの上に静かに電子音が舞い落ちていくさまは、日本庭園の池の上に花びらが落ちて、水面にゆっくりと波紋が広がるのを見ているかのよう……。そんなところに日本人らしさを感じます。
また、繊細に重ねられた音の層に耳を傾けると、そこにも日本人らしさが。聴いていると、身を清められる感覚を覚えます。
2017年6月7日
あまりにキュートな、あまりに可憐な、歌の世界 ~jazz channel By engelwood, simon eng~
ジャズのテイストを含んだあまりにキュートなピアノとギターの響きに、少女の面影を残したあまりに可憐な女性シンガーの歌声に……、さあ、うっとりしましょう。こんなにキュートな歌を聴かされたら、心は夢の中に行ってしまいます。
作者はengelwoodとsimon engという2人のアメリカ人男性のよう。共作というわけですね。ジャジーなブレイクビーツの歌モノ、もしくはソフト・ロック?といったような趣の音楽を展開しています。それぞれの曲にはゲストのシンガーを起用していると思われます。
この作品に収められた曲たちが構築するのはキュートにデコレーションされたお菓子のような愛らしさと、子守歌のようなおだやかさが混じり合った世界。そこに足を踏み入れると、そこには夢の入り口が……。
2017年6月6日
ビートはあくまでもユルく進む ~Rare Tracks By matatabi~
ゆるゆると、ほんわりと、そしてほがらかに。ユルいビートはそんなふうに生きようよと語りかけてくるかのよう。ローファイな質感の音を基調にした、完全に脱力しきったブレイクビーツ/インストゥルメンタル・ヒップホップ集でございます。
つまりここには日本人ビートメイカー、matatabiのいつものスタイルの音楽があるというわけです。『レア・トラックス』というタイトルから察するに、これまでにリリースしなかった曲で構成されているのではないかと思います。
それぞれの曲にある絶妙のチルアウト感と絶妙のユルさ、ユーモア、そういった感覚は他ではなかなか味わえなさそうな実に貴重なもの。そして昭和の時代の団地に流れているかのような庶民の香りを感じます。
大人も子供もおじいちゃんもおばあちゃんも、そして若者も、日本に生きるすべての庶民に捧げるヒップホップ。これはみんなのヒップホップ。
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