ノルウェーのデュオ、ロイクソップの音楽は切ない系エレクトロニカだったか、切ない系ダンス・ミュージックだったか、日本ではそんな言葉で紹介されていた記憶があります。そして今回取り上げる作品も切ない系。nymanoなるフランス人クリエイターによる作品です。
これは切ない系ブレイクビーツ、もしくは切ない系ビートダウン・ハウスといったところでしょうか。BPM80~90ぐらいのゆったりとしたテンポでリズムがなめらかに刻まれ、美しい夜景のような輝きを放つ、しっとりとした質感のピアノやサックスの音が静かに流れていく……、そういう作りの曲が並んでいます。
ヴォイス・サンプルの使い方やリズムの鳴り方にはヒップホップっぽさを、ピアノやサックスの響きにはジャズやソウルっぽさを、それぞれ感じます。1980年代っぽいところ、ブラコンっぽいところもうっすらと。
全編に通じるのは大人の恋愛映画のサウンドトラックのような、間接照明がおしゃれな空間を演出する、都会の高層ホテルの一室に流れる音楽のような、アーバン、かつラグジュアリーなブラック・ミュージックと言える洒脱な雰囲気。この雰囲気が実に心地よく、全体に漂う気だるい空気も体にじんわりと心地よく染み渡ります。
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