2017年5月31日
美しい音の連なりにうっとり ~Windows That Open Into The Mind By Norihito Suda~
日本人クリエイター、Norihito Sudaがサウンドクラウドにアップしていた、アンビエント調の曲をいくつか。どれもこれも純真無垢な……と言いますか、汚れを知らぬ美しさ。澄み切った美しい音が続いていきます。
2017年5月18日
優雅なジャズとクールなヒップホップの共演 ~Ahmad Jamal 'The Awakening Mix' by Chris Read~
ナズの『イルマティック』に収録されている「ワールド・イズ・ユアーズ」の元ネタの作者。……ということで、この方のことを知ったヒップホップ好きの方はけっこういるのではないでしょうか。私がそうなので、こう書いてみました。この方……というのはアメリカのジャズ・ピアニスト、アーマッド・ジャマルです。
今回取り上げたのはアーマッド・ジャマルのアルバム『ジ・アウェイキング』の収録曲と、そのアルバムの収録曲をサンプリングして作った曲を使ったDJミックス。イギリスのDJであるクリス・リードがミックスしています。
クリス・リードはア・トライブ・コールド・クエストやピート・ロック&C.L.スムースなどの曲を使ったDJミックスを数多く作っていて、ここでもこの人らしい巧みな構成は健在。「ワールド・イズ・ユアーズ」の元ネタ「アイ・ラヴ・ミュージック」も使っています。あと、コモンの曲なんかも。
繋ぎのテクニックや意外な曲の並びで聴かせるのではなく、気持ちよくて心地よい場所に曲をはめ込み、流麗な雰囲気を生み出して、聴き手を心地よい酔いの渦に巻き込んでいく作り。ピアノは優雅に踊り、ビートはタイトに締まる、そしてラップはワイルドかつクールに響く……。そんなジャズとヒップホップの共演です。
2017年5月16日
今宵は甘い夜を…… ~Radio Juicy S02E58 (Night Jams by Budamunk)~
音楽に対して、音に対して、エロい……、と言うのは侮辱にあたるのか、失礼な表現に当たるのか……? どうなのでしょうか、わたしはホメ言葉だと思っていて、ホメるときに使っています。音がセクシーってことですから。
今回取り上げたこのDJミックス。日本人ビートメイカー/DJのブダモンクがドイツのヒップホップ・レーベルである、レディオ・ジューシーのDJミックスシリーズに提供したものです。
内容は甘めのソウルとR&Bが中心で、ヒップホップが少々というあんばい。これがエロいんです。煙りのように揺らめく、厚みのある肉感的な音がなまめかしく、何ともエロい。タイトルにある”ナイト・ジャムズ”というのは一体どういう夜なのか、想像してみましょう。
そしてそれに加えて、夜空を気持ちよく浮遊するかのようなコズミックな雰囲気が散りばめられていて、チルアウト感もじゅうぶん。ふわりふわり、とろりとろりとしましょう。
2017年5月13日
ピアノとヴァイオリンが織りなす、美しい音の揺らめき ― ヌジャベス「リフレクション・エターナル」の元ネタ ~巨勢典子 × 山本啓 (Nabowa) By i miss you~
ヌジャベスが自身の楽曲「リフレクション・エターナル」でサンプリングしたのがこの「アイ・ミス・ユー」。巨勢典子という日本人ピアニストの楽曲のようです。いやはや……、こんなにも美しい楽曲があったのですね。いままで知らなかったのかと思うと、いやはや……、まったく……。
これはナボワのヴァイオリニストである山本啓と共演したライヴ映像。音楽的にはポスト・クラシカル、あるいはニュー・エイジといったところでしょうか。ピアノとヴァイオリンが織りなす、美しい音の揺らめきにうっとり……。
※ヌジャベス「リフレクション・エターナル」
2017年5月11日
弾むビートの上でたくましく輝く歌声 ~EAST By IVY SOLE.~
この歌声を聴いていると、どうしたってジョージア・アン・マルドロウやラプソディーを想起してしまいます。力強くしなやかに、そして澄み切った……、そんな歌声。アメリカのアイビー・ソールなる女性シンガーの作品です。
歌声とは書いたものの、歌うというよりもほぼラップ。弾力のあるビートの上に軽くいなすように言葉を刻み付けていきます。甘めのソウルときらびやかなR&Bを内包したヒップホップといった趣のトラックもよい感じです。
2017年5月8日
旅するビート、中国へ ~Chinoiseries pt.3 By Onra~
DJクラッシュが日本の伝統音楽に思いをはせるなら、フランスのビートメイカーであるオンラは中国の伝統音楽に思いをはせる。タイトルの通り、中国の伝統音楽のテイストをふんだんに取り入れた、ブレイクビーツ/インストゥルメンタル・ヒップホップ集です。
曲数は全部で32曲とわりと多めですが、1分台、2分台の曲が中心で、トータルタイムは60分弱なので、全体の長さは普通のフル・アルバムぐらい。それぞれの曲はスムーズと言えるほどの繋がり方をしておらず、若干ギクシャクとしながら繋がっていきます。そのさまは場面がクルクルと切り替わる短編映画を見ているかのよう。
つまりはこれ、短編映画のサウンドトラックのようにも聴こえます。それも1970年代とか、1980年代とか……、そのあたりの時代に作られた中国の伝統文化を題材にした映画のサウンドトラックであるかのような、そんな印象を受けます。この音楽は心を違う時間と場所へ連れていきます。
2017年5月3日
切なく、そして洒脱なブレイクビーツ ~romance By nymano~
ノルウェーのデュオ、ロイクソップの音楽は切ない系エレクトロニカだったか、切ない系ダンス・ミュージックだったか、日本ではそんな言葉で紹介されていた記憶があります。そして今回取り上げる作品も切ない系。nymanoなるフランス人クリエイターによる作品です。
これは切ない系ブレイクビーツ、もしくは切ない系ビートダウン・ハウスといったところでしょうか。BPM80~90ぐらいのゆったりとしたテンポでリズムがなめらかに刻まれ、美しい夜景のような輝きを放つ、しっとりとした質感のピアノやサックスの音が静かに流れていく……、そういう作りの曲が並んでいます。
ヴォイス・サンプルの使い方やリズムの鳴り方にはヒップホップっぽさを、ピアノやサックスの響きにはジャズやソウルっぽさを、それぞれ感じます。1980年代っぽいところ、ブラコンっぽいところもうっすらと。
全編に通じるのは大人の恋愛映画のサウンドトラックのような、間接照明がおしゃれな空間を演出する、都会の高層ホテルの一室に流れる音楽のような、アーバン、かつラグジュアリーなブラック・ミュージックと言える洒脱な雰囲気。この雰囲気が実に心地よく、全体に漂う気だるい空気も体にじんわりと心地よく染み渡ります。
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