エレクトロニックでありながらオーガニックな音。それも深い森の中であるとか、静かな海であるとか……、そういった自然の中に溶け込むような音。そんな質感の音を基調にしたジャジーなインストゥルメンタル・ヒップホップ……かと思いきや、それだけでもない。
というのは、このAJMWなるイギリスのビートメイカーはヌジャベスに通じるリリカルなジャジー・ヒップホップを作る人だと思っていたのですが、この作品にはジャズやソウル、エレクトロニカやダウンテンポあたりのテイストをすくい上げて作ったブレイクビーツ……といったような楽曲が並んでいます。
ヒップホップというより、エレクトロニカとして聴く方がしっくりくる作品。ワープやニンジャチューン、トゥルー・ソウツなどといったレーベルに所属するエレクトロニカ系のアーティストに通じる音楽を展開しています。
そして聴き手を現実世界から引き離していくような、ふんわりとしたドリーミーな雰囲気が全編に行き渡っていて、それがもうたまらなくいい。しっとりとした潤いのある音、つややかな輝きのある音が時間の進み方を遅らせるかのように、ゆったりと流れていきます。
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