これは日本人ビートメイカー、Linn Moriが1990年代のヒップホップに取り組んだ作品と言えるのでしょうか? Linn Moriにしてはシブい……、ぱっと聴いたときにそんな印象を受けました。
ここではザラついた質感の音のドラムと、古いジャズやファンク、フュージョンのレコードからサンプリングしたようなサックスやホーンの音が交錯するインストゥルメンタル・ヒップホップを展開しています。ピート・ロックやDJプレミアといったあたりが作る音と近年のビート・ミュージックを繋いだかのような音楽です。
中盤にはタリブ・クウェリみたいなMCがラップを乗せてもいいのではないかと思わせる、アタマを振りたくなる(1990年代っぽく書くとこんな感じ)、ファンキーに上げてくる曲があり、終盤ではリリカルな雰囲気を漂わせるピアノのメロディを響かせて終わる……。この作りがとてもいい!
1990年代っぽいとは書いていますが、Linn Moriらしいつややかな音も存分に聴かせていて、実力派と言われるその実力を見せつけた……、とでも言いますか。実にいい内容に仕上がっています。
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