2016年6月6日
妖しい酩酊感と危険な甘さを振りまく、ダークな色彩のメロウなヒップホップ ~Spirit Of The Golden Era By Budamunk & ill Sugi~
日本を代表する2人のビートメイカーによるコラボレイト作品なのだから、かっこいいのだろうなと思いつつ聴いたら、やっぱりかっこよかった。という何だかありがちな書き出しで始まってしまいました。……でも、これは書いておきたかった!
そんな作品のタイトルは『スピリット・オブ・ザ・ゴールデン・エラ』。日本語に訳すと、『黄金期精神』。ヒップホップの黄金期と言われる、1990年代のヒップホップを再現するというコンセプトがあったのかどうなのか。
とは言え、1990年代っぽいテイストは、音にはそれほど入っていないような印象を受けます。1990年代っぽさを挙げるのであれば、音にブーム・バップっぽい厚みがあるところ。あくまであるのは精神面において……といったところなのかもしれません。
2000年代のビート・ミュージックを通過した、1990年代のブーム・バップを思わせるヒップホップ。言葉で表現すると、こんな感じでしょうか。ブダモンクらしい厚みのある音とイルスギのヤサぐれた感じが同じくらいのバランスで混ざり合っています。
そして何よりもいいのは深夜の路上を当ても無くさまようような妖しい酩酊感と、危険な甘さを漂わせるメロウなメロディが入れ替わるようにやってくるところ。しっかり酔わせてくれます。
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