2022年10月1日

ハルカ・ナカムラが描く、ヌジャベスが残した美しい旋律の続き ~Nujabes PRAY Reflections By haruka nakamura~ (2021 Release)


ハルカ・ナカムラが奏でるピアノの旋律が美しく浮かび上がり、そしてその余韻を残したまま、切なさも一緒に残して消えていく……。ヌジャベスが残した美しい旋律が見え隠れしながら、ナカムラらしさもしっかりと刻み付けられています。

一言で言えばヌジャベスの曲をカバーしたカバー・アルバム。特定のジャンルにカテゴライズするのであればポスト・クラシカル、もしくはニューエイジでしょうか。しかしそれだけで終わるのはあまりに雑すぎる、丁寧に、丹念に作りこまれた作品です。



2022年9月22日

自由なリズムと幸福なメロディ ~Magic Pony Ride By µ-Ziq~ (2022 Release)


イギリスのエレクトロニック・ミュージック・シーンのヴェテラン、マイク・パラディナスの作品。ドラムンベースやジャングルの自由奔放なリズムを打ち鳴らしながらテクノへ繋がっていくような内容に仕上がっています。メロディアスで、時にドラマティックでもある展開を存分に繰り広げていて、これがもうたまりません。

暴れるリズムの荒々しさがあり、美しく流れるメロディがあるエレクトロニック・ミュージック。ほっこりとした気持ちに、あるいは切ない気持ちに、聴き終わったときにそんな気持ちになります。1997年リリースの『ルナティック・ハーネス』という作品の続編と見ていいようなので、『ルナティック~』も併せてどうぞ。

2022年9月14日

装い新たに、しかし歌声の魅力は変わらずに ~Are U Romantic? By UA~ (2022 Release)


シティ・ポップであったり、ヒップホップであったりを絡ませて、ポップになったと言えばたしかにそうですが、それだけでは済ますことのできない魅力を感じます。音楽がどう変わろうとこの歌声の魅力は変わらない、ということを改めて思わせるUAのEP作品です。

前作の『ヤポ』や前々作の『アッタ』などのアルバムと比較すると、だいぶポップな方向に振り切っています。しかしUAの歌声は軽やかに演奏に乗り、作る音楽がどう変化しようとこの歌声の魅力が損なわれることはないこと、この歌声は唯一無二であることを浮かび上がらせていきます。



2022年8月21日

テクノとアンビエント、そしてドランベースを重ね合わせて描く美しい音響 ~Concealer By Relaxer~ (2021 Release)


野蛮だけど美しい。この作品を聴いて、デトロイト産のテクノを聴いたときに感じたそんなことを思い出しました。ダークな色彩の美しい音響、そして刺激的なリズムが全体を彩る本作は古のテクノを愛する人も、フットワークあたりを好む人も好きになりそう。

ダニエル・マーティン・マコーミックというアメリカ人クリエイターがコンシーラーなる名義で2021年にリリースした作品。テクノとアンビエントの間を行き来しながら、ドラムンベースを挟み込んだような曲が並びます。夜中に家で一人で聴くといい感じです。

2022年8月13日

甘くロマンティックなジューク/フットワーク ~Signals In My Head By DJ Manny~ (2021 Release)


ジューク/フットワークにカテゴライズされる音楽はもっと猥雑なものかと思っていましたが、DJマニーによるこのジューク/フットワークの作品にはソウルやR&Bのような甘く、ロマンティックなムードがあります。それがこの作品の特徴でしょう。

作者のDJマニーはシカゴ出身のクリエイター。ここではジャングルやドラムンベースに通じる刺激のあるリズムと色気のあるハウスの香り、そして女性ヴォーカルのなまめかしい歌声を重ね合わせています。