2022年5月5日

くつろぎの境地へと誘われ ~Where The Round Things Live By Loris S. Sarid & Innis Chonnel~ (2022 Release)


リゾート感とリラックス感があふれる、たまらなく心地よい音楽。気持ちはくつろぎの境地へ……、そんな趣きがあります。ほわほわと浮き上がる電子音とスティールバンのような音をアンサンブルの中心に置いた、エレクトロニカやアンビエントにダブを少々加えたような音楽を展開しています。

作者はLoris S. SaridとInnis Chonnelというイタリア出身の2人の人物。本作のリリース元のレーベルである12th Isleはスコットランドにあるそうです。実験電子音楽のレーベルのようですが、ここには実験的といった言葉から連想される小難しさは皆無。気持ちよさそうに流れる音の波におぼれましょう。

2022年5月3日

どんな天気であれ、美しい音を ~Whatever The Weather By Whatever The Weather~ (2022 Release)


イギリスの女性クリエイターであるロレイン・ジェイムズによるホワットエヴァー・ザ・ウェザー(どんな天気であれ、という意味)名義の作品。曲名がすべて温度になっていて、曲名ごとに温度の高低はありますが、どの曲からも冬の冷たく澄んだ空気のような温度を感じます。

ここで中心になっているのはアンビエントとエレクトロニカ。そこにドラムンベースやジャングルを散りばめた音楽を展開しています。リズムに動きがあっても落ち着いた雰囲気は変わらずに、しっとりとした質感の澄み切った美しい音が流れていきます。それはジャケットの世界に流れる空気のような音です。

2022年4月19日

おだやかな空間に流れる電子音楽 ~Cheeky Speaker By Lucky & Easy~ (2021 Release)


ほの暗く、それでいて牧歌的な雰囲気があるのが特徴。エレクトロニカやアンビエントからドラムンベース、はたまたディープ・ハウスやデトロイト・テクノあたりまで……、手を伸ばしたような音楽を展開しています。PubというスコットランドのアーティストのLucky & Easyという名義による作品です。

ゆったりと流れる時間の中で上述した電子音楽たちが折り重なり、目の前に現れては消えていきます。過去の曲を集めたコンピレーションということが関係してか、それぞれの曲が様々な表情を見せてくれます。

2022年4月13日

淡々と流れる毎日のようなギター・ロック ~Things Take Time,Take Time By Courtney Barnett~ (2021 Release)


ドラマティックな展開もなく、すべての曲が淡々と流れていきます。これは市井の人々の日常を描いたのか、はたまた、コートニー・バーネット自身の日常を描いたのか……、なんてことを思わせます。日常を描いた感覚があるからこそ毎日のサウンドトラックになる、そんな作品であるように思います。

バーネットはオーストラリア出身のシンガーソングライター。これが通算3作目のアルバムです。ここでもこれまでと変わることなくシンプルなギター・ロックを展開しています(最後の曲はピアノでした)。日々の暮らしにフィットするギター・ロックをあなたの身近に……、ぜひどうぞ。

2022年4月9日

激しさと穏やかさの間を揺れながら ~Letting Up Despite Great Faults By Letting Up Despite Great Faults~ (2009 Release)


2009年にこんなに素晴らしい作品がリリースされていたなんて知りませんでしたよ……。2022年に初めてこれを聴いて、シューゲイザーゆずりの歪んだギターの音とドリーム・ポップに繋がるおだやかな電子音、そして甘いメロディが重なり合ったギター・ロックに心をつかまれました。

この作品を作ったのはレッティング・アップ・ディスパイト・グレイト・フォールツなるロサンゼルス出身の4人組。彼らはこの作品において、激しさと穏やかさの間を揺れながら、ここではない夢で見るような世界へ連れて行ってくれます。