2022年5月31日

選び抜かれた音が構築していくダンス・ミュージック ~Consequences By Thor~ (2020 Release)


アイスランドのクリエイターであるThor(ソーと読むのでしょうか?)によるダブ・テクノ集。じっくりと練り上げていくように、じわじわと展開する様子がとてもいい! 厳選された音だけで構築されたダンス・ミュージックとでもいうような趣を感じます。

Thor以外の名義での曲も収録したレア・トラック集という作品。ここにあるのがヴェテランの匠の技というものでしょうか。

2022年5月25日

静かに響く美しい電子音 ~rabbit ears By tomotsugu nakamura~ (2021 Release)


明確なメロディがあるようで、しかし、ない……? ただの音なのか、メロディを奏でるのか、どちらとも言えない気持ちのいい電子音が続いていく、そんなアンビエント/エレクトロニカを展開しています。日本人クリエイターのナカムラトモツグによる作品です。

全体にゆったりとしたおだやかな空気が流れます。音に耳を傾けるのか、あるいはそうではなくて、ただ流しておくのか……。どちらにしても、ただ流しておくだけで、その場を心地よい空間にする音楽です。

2022年5月5日

くつろぎの境地へと誘われ ~Where The Round Things Live By Loris S. Sarid & Innis Chonnel~ (2022 Release)


リゾート感とリラックス感があふれる、たまらなく心地よい音楽。気持ちはくつろぎの境地へ……、そんな趣きがあります。ほわほわと浮き上がる電子音とスティールバンのような音をアンサンブルの中心に置いた、エレクトロニカやアンビエントにダブを少々加えたような音楽を展開しています。

作者はLoris S. SaridとInnis Chonnelというイタリア出身の2人の人物。本作のリリース元のレーベルである12th Isleはスコットランドにあるそうです。実験電子音楽のレーベルのようですが、ここには実験的といった言葉から連想される小難しさは皆無。気持ちよさそうに流れる音の波におぼれましょう。

2022年5月3日

どんな天気であれ、美しい音を ~Whatever The Weather By Whatever The Weather~ (2022 Release)


イギリスの女性クリエイターであるロレイン・ジェイムズによるホワットエヴァー・ザ・ウェザー(どんな天気であれ、という意味)名義の作品。曲名がすべて温度になっていて、曲名ごとに温度の高低はありますが、どの曲からも冬の冷たく澄んだ空気のような温度を感じます。

ここで中心になっているのはアンビエントとエレクトロニカ。そこにドラムンベースやジャングルを散りばめた音楽を展開しています。リズムに動きがあっても落ち着いた雰囲気は変わらずに、しっとりとした質感の澄み切った美しい音が流れていきます。それはジャケットの世界に流れる空気のような音です。