2020年6月30日

辺境のダンス・ミュージック ~The Goddess Is Dancing By D.K.~ (2020 Release)


ベトナムの霊的儀式ハウドンに使用される踊り/音楽をイメージし……、制作された音楽とのことです。そう聞いてもどういう音楽なのかイメージできませんね……。バレアリックとハウス、ダブ、サイケデリック、ダーク・アンビエントを混ぜ合わせた暗い音楽。言葉で説明するとこんな感じでしょうか。

作者はD.K.というパリで活動するプロデューサー。全編をスピリチュアルな雰囲気が支配し、神聖な踊りのための音楽であるかのよう。タイトルにゴッドという言葉が付いていますしね。レコード店に置いてあったら、レフトフィールドとか、辺境のダンス・ミュージックとか言われていそうな音楽です。

2020年6月23日

約20分間の音の世界旅行 ~Folk Remedy Anthem #02 By Chari Chari~ (2020 Release)


オーガニックな質感の音を基調にした、地球の鼓動が、そして大地の鼓動が聴こえてくるような音楽。どこかの国の部族の音楽であるかのような、細かく刻まれるパーカッションのリズムに導かれ、森の中へ、自然の中へと……、入っていくような感覚を覚えます。

日本人クリエイター、井上薫のチャリチャリ名義による作品で、実にチャリチャリらしい音楽を展開しています。民族音楽の香りをたっぷりと含んだバレアリック、あるいはエレクトロニカといったところでしょうか。日本に住んでいたら、なかなか体験できない感覚を味わわせてくれる音楽です。

2020年6月17日

夏仕様の電子音楽 ~Sometime Somewhere By Auto&mst~ (2020 Release)


夏を想起させるジャケットのイラストも、そして音も、すべてが夏仕様。夏の夕暮れ時に聴いたらきっと気持ちいいはず。そんなことを思わせる音楽が並んでいます。電子音楽家のAutoとギタリストのmstからなる、Auto&mstという日本のユニットのEP作品です。

音楽のジャンルとしてはエレクトロニカ、あるいはバレアリックといったあたりでしょうか。夏になるとさわやかなギター・ポップを聴きたくなるという人も多いと思います。そこにこの電子音楽も加わりそうです。


2020年6月14日

静かに、少しずつ異質な空間に導く、アルツーのリミックス・アルバム ~bootleg flowers By Aru-2~ (2020 Release)


日本人ビートメイカー、アルツーのリミックスを集めた作品。リミックスしたのはアメリカのヒップホップ系のMCやシンガーの曲のようです。空間をぐにゃっとネジ曲げるような、少しヨレた感じのキーボードの響きに、アルツーの個性が出ているように感じます。

そのヨレたキーボードの響きに導かれ、作品の世界に引き込まれます。落ち着いたテンションの曲が並びながら、それでいて異質な空間が広がる、静かに歪んだ作品です。

2020年6月13日

幻想的で、そしてどこまでも美しい、フォー・テットの世界、再び ~Live at Alexandra Palace, London 8th and 9th May 2019 By Four Tet~ (2019 Release)


フォー・テットの音楽にある幻想的な美しい音、そしてまばゆい光に包み込まれるような心地よさを詰め込んだライヴ・アルバム。フォー・テットことキエラン・ヘブデンが2019年5月にロンドンのアレクサンドラパレスで行ったライヴの模様を収めた作品です。

いかにもフォー・テットらしいフォークトロニカといった趣の音楽から、4つ打ちのダンサブルな音楽へと移っていくライヴの様子を約110分というヴォリュームで収め、音楽の美しさと心地よさに浸ることができます。最初から最後までしっかりと浸りましょう。

2020年6月9日

姿を変えるケン・イシイの楽曲 ~Abyssal Plain Remixes By KEN ISHII~ (2020 Release)


低音域がグルーヴィーに、そしてワイルドにウネり、ウワモノのフレーズが優雅に舞う、ディープ・ハウスからハード・テクノといったあたりの音楽が並ぶ作品。ケン・イシイの「アビサル・プレイン」という曲のリミックス曲を集めた作品です。

躍動感があり、キレがある、迷いのないまっすぐに突き進んでいくような曲ばかりで、どの曲もかっこいい! 同じ曲のリミックスとはいえ、どの曲も雰囲気が異なるので、それぞれの違いを楽しめます。

2020年6月7日

ワイルドかつメロウなピアノのメロディに酔う…… ~LOST BEAT TAPE -PIANOMAN- vol​.​1 By grooveman Spot~ (2020 Release)


タイトルに“ピアノマン”と付いている通り、軸になっているのはジャジーかつファンキーなメロディを奏でるピアノ。日本人クリエイターのグルーヴマン・スポットの未発表となっていた曲を集めた作品の第1弾です。

少し歪んだワイルドな音を基調にしながら、聴き手を気持ちよく酔わせるメロウなところや甘さもあり、甘さと辛さがバランスよく混ざり合っています。おしゃれなバーでかかっていたら、きっといい感じになるだろうね……、なんてありきたりのことをどうしたって思ってしまう音楽です。