ぐりぐりぐりっとワキバラにめり込んでくるような低音域の音が実に心地よく鳴っています。これは1990年代のブーム・バップと2000年代のベース・ミュージックにある低音域の音をいいあんばいで混ぜ合わせた音……、大好きです、こういうの。
これがディストピアって……、いやいや……。心地よく鳴る低音域の音、そしてヒップホップにソウルを絡めたメロウで色気のある展開……、そんな音の連なりにうっとりしていると、これはユートピアでしょう!と言いたくなります。
本作は2人の日本人ビートメイカー――CramとAru2――によるアーバンな雰囲気のメロウ・ヒップホップ集。そう、たしかにアーバン、たしかにおしゃれ。でも、ヒップホップらしいイカガワシサやワイルドさをしっかりと練り込んでいます。都会の薄汚れた路上から星空を見上げているかのような音楽です。
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