2016年9月1日
ヒップホップのアウトサイダーによる、刺激に溢れたサイケデリックなインストゥルメンタル・ヒップホップ ~S U I Q A By KABEYAM~
今日は9月1日。8月が終わると夏が終わったような気になります。それだけにこの記事は昨日アップしたかった……。というのも、この作品のタイトルは『S U I Q A』=“スイカ”。スイカはやっぱり夏のものですから。夏の雰囲気がある間にアップしたかったのです。
とは言っても、これ、音に夏っぽいところは……、ありません。ここにあるのは“今年のスイカは天候に恵まれまして、非常に味がよくできあがりました”という音声から始まる奇妙な、そしてサイケデリックなインストゥルメンタル・ヒップホップ。日本人ビートメイカー、カベヤムの作品です。
軸はたしかにヒップホップ。でも、ダブ、ソウル、ジャズ、エレクトロニカ、サイケデリック・ロック……などといった音楽が至るところに織り込まれ、いろいろな音が飛び出してきます。さらには昭和の時代を思わせる音をさりげなく挿し込み、時代をも逆行してみせています。
これはまるでマッドリブのごとき奇天烈ぶり。どの音楽に近い感覚を覚えるかと言ったら、マッドリブの音楽でしょう。いい意味でヒップホップのビートメイカーらしくないというか、ロック・バンドだとかジャズ・バンドだとかをやっている人が作ったような、ヒップホップの中心から離れたところで鳴っている音楽に聴こえます。
インストゥルメンタル・ヒップホップの作品でありつつ、ダブやエレクトロニカの作品と同じものとして見ることもできそう。ジャンルをまたぎ、時代を逆行する、ヒップホップのアウトサイダーによる音楽?
そして聴き進めていくごとに忍び寄ってくる、深い森の中に導かれていくような、深い沼に足を絡め取られるような、そんな感覚がたまらなくいい! 刺激的な音が深~いところに連れて行ってくれます。
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