2016年12月18日

あくまでもユルくまったりと進むジャジーなブレイクビーツ ~Collabs By Mujo情~


もうすでに量産されつくしたジャジーなインストゥルメンタル・ヒップホップ/ブレイクビーツの作品の中のひとつ。……と、言えなくもないけども。カタイことは言わずにまったりしようよ。ジャジーなピアノとホーン、そしてユルいビートがそんなふうに語りかけてくる、ハンガリーのビートメイカーであるMujo情の作品。

これはMujo情の中間報告か、もしくは形になったからリリースしますといったところか。サラッと作ったかのような、軽さみたいなものを感じます。はたしてこの先に完成形があるのかどうなのか……。



2016年12月11日

曇り空の日、雨の日も悪くない ~Wingbeats By Hidden Orchestra~


暗闇の中に潜む美しさ……、なんて具合に表現できそうな音楽。繊細で上品、それでいて熱い生命力みたいなものを感じさせる音……。これにはどうしたって引き込まれます。スコットランド・エディンバラ出身のプロデューサーであるジョー・アチソンなる人物のプロジェクト、ヒドゥン・オーケストラのEPです。

じっくりと厳かに刻まれるリズム、いまにも寸断されてしまいそうなほどに繊細に響くピアノとハープ、暗い雨雲のように重々しくたゆたうストリングス……といった音たちが絡み合う、抒情的なポスト・クラシカル/エレクトロニカを展開しています。

曇り空の日、雨の日を描いたかのような音楽。これを聴いていると、そんな日も悪くないよねと思ったり。





2016年12月8日

ロマンティック、かつスピリチュアルなハウス・ミュージック ~romantic standard part.1 By kuniyuki and more~


ああ、これ。何とロマンティックなのでしょうか。クラブで一夜を過ごした翌日のひどい二日酔いも、クラブで一瞬頭をよぎったスケベ心も、清らかな思い出に差し替える全10曲。いや、というより、この曲たちを前にして、スケベ心が沸き立つなどというのはけしからんでしょう。

……というこの作品はクニユキ・タカハシ、井上薫、KZAなどといった日本の精鋭たちから、セオ・パリッシュ、トッド・テリエ、セバスチャン・ムラート、ヘンリク・シュワルツなどの海外のビッグネームによる楽曲を収録した、日本のダンス・ミュージック・レーベルであるmule musiqのコンピレーション・アルバム。音楽配信サイトのオトトイのみでの販売です。

並んだ曲の中心は心を静め、瞑想の世界に導くかのような、スピリチュアルな気配すら感じさせるビートダウン・ハウス。もしくはニューディスコといったところでしょうか。静寂の中に美しさを潜ませたハウス・ミュージックが続きます。聴き進めていくと、これがわびさびというものか……と思ったりも。

そして深みに導く曲が続いた先の一番最後の曲、「once again」から聴こえてくる透徹したピアノの響きが、暗闇に差し込む一筋の光のように美しく、心が洗われる感覚を覚えました。ハイレゾ音源で1500円という良心的な価格です。みんな買おう。

※購入はこちらから

Track List
1. all these things (theo parrish remix vocal ver) By kuniyuki
2. anytime is fine By axel boman
3. the secret field (todd terje remix) By kaoru inoue
4. le troublant acid By kza
5. tellakian circles (runaway remix) By mugwump
6. grand central (mcde remix) By dj sprinkles
7. shout (12inch version) By kuniyuki
8. illuminate By aril brikha & sebastian mullaert
9. reap love By fp-oner
10. once again (henriks version) By henrik schwarz&kuniyuki feat. fumio itabashi







2016年12月3日

レイドバックした風を運んでくるブレイクビーツ ~Back to Rock By ILL.SUGI~


『バック・トゥ・ロック』というから、ロッキンなギターがガーンと鳴っているのかと思いきや、そんなこともない。日本人ビートメイカー、ILL.SUGIの新作です。ここで行われているのは1960年代、もしくは1970年代あたりのソウルのフレイヴァーを吸い込んだロックとブレイクビーツの融合……でしょうか。

水中に深く沈みこんでいくようなベースとドラム、そして古いソウルやロックのレコードからサンプリングしてきたような音が、ややレイドバックした心地よい空気を運んできます。

と、思いつつ聴いていると、ここあるのはサザン・ロックか……。そんなことを思わせる乾いた風を感じます。この作品が吹かせるその風に身を浸せば、これから冬を迎える日本にいても心は暑い地域へ……。あと、ジャケットがかっこいい!



2016年12月1日

おうちへ帰ろう、このユルいブレイクビーツを聴こう ~Saikei Collection Vol. 15 By saikei collective~


心に染み渡るローファイな質感のユルいビートたち。染みますよ、染みますよ、これは。心にこのビートが。これからの寒い季節にはこういう手作りの感触を残した、ザラッとした粗めの音が合うのではないでしょうか。

あれよあれよという間にもう15作目となるコンピレーション。フィリピンのレーベルである栽景コレクティヴから届けられた、ダウンテンポ・ミーツ・ブレイクビーツ集です。約90分の中に48曲がギュギュッと詰め込まれています。

ヒップホップを軸にした音をあたたかみのあるソウルやジャズのテイストがやさしく包み込む、ほっこり感のあるビートの連なり。ストリートにも、クラブにもどちらにも馴染めない、あたたかい家で聴くためのブレイクビーツ/インストゥルメンタル・ヒップホップといったところでしょうか。

43曲目と44曲目のRudeMannersなるビートメイカーの曲を聴いて、心がポッとあたたかくなりました。誰か心をあたためて……!と思っている方はこの曲からどうぞ。